2014.10.22

シャトルに夢を乗せて。アジアパラから始まる22歳の挑戦

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

昨年の世界選手権で優勝し、2020年東京パラリンピック の活躍に期待がかかる豊田まみ子 今年10月7日、国際パラリンピック委員会(IPC)が、2020年東京パラリンピックでバドミントンを初めて採用することを決めた。長年にわたってバドミントンがパラリンピック実施種目となる事を願ってきた日本の選手や関係者にとっては、競技活動の大きなモチベーションになる決定だ。

 現在のところ、世界選手権とアジアパラ競技大会()がパラバドミントンの2大大会とされており、選手たちは、これらの大会の金メダル獲得を目指し活動している。世界の勢力図としては、バドミントンが盛んに行なわれているアジア勢がけん引。日本にとって東京パラリンピックの成功に弾みをつける意味でも重要な位置付けとなった今大会、男女あわせて20人の選手を送り込んだ。
※世界選手権は2年に一度開催され、アジアパラ競技大会は2010年の広州に続いて今回の仁川が2度目の開催。

 そのなかのひとり、上肢機能障害の立位クラスの豊田まみ子(筑紫女学園大)には特に注目したい。豊田は福岡県出身、大学4年生の22歳。生まれつき左ひじから先がない。実は彼女、昨年11月にドイツで開催された世界選手権で、初出場ながらシングルスで優勝した世界チャンピオンなのである。とはいえ豊田は、「今回のアジアパラは、相当厳しい戦いになる」と覚悟していた。

 なぜなら、実力者が揃うとされる中国が先の世界選手権には出場しておらず、対戦相手としてのデータがほとんどない状況だったからだ。まだ見ぬその不気味な存在は気になるところだが、「粘りのプレーでラリーを続け、メダル獲得を狙いたい」と気合いを入れた。