【カーリング】市川美余&藤澤五月が明かす「女王・中部電力の秘密」 (2ページ目)
――大会の結果は、5勝6敗で12カ国中7位でした。その成績については、どう捉えていますか。
藤澤 あの時点では、7位という結果は妥当だったように思います。大会の後半は、差をつけられて負ける試合が多く、立て続けに星を落としてしまいました。そこで、もう少し競った試合をしたかったですね。それでも、12月の世界最終予選に出場してくる、ドイツや中国に勝って終われたことは自信になりました。
市川 7位という結果には、決して満足していません。結構(チームの出来に)波がありましたね。いいときと悪いときの差が大きかったと思います。個々を見ても、前半に調子が良かった選手、後半にパフォーマンスが上がってきた選手と、分かれていました。そういう波をなくして、選手ひとりひとりの力がうまくかみ合えば、もっと戦えたと思います。
――世界選手権の結果を踏まえて、さらなるレベルアップを図っていると思うのですが、今季はここまで、どのようなトレーニングを重点的に行なってきたのでしょうか。
市川 世界選手権のあと、(選手個々に)デリバリーフォーム(ストーンを投げる一連の動作)の改善に取り組んできました。6月に入って、その効果がだいぶ出てきたので、今は試合形式のトレーニングの中で、みんなでいろいろと話し合いながら、課題である戦術面の勉強をして、その強化を図っています。
藤澤 氷上で言えば、フォームの改善は落ち着いてきましたから、確かにあとは、戦術、戦略的な部分をどう高めていくかがポイント。(試合形式の練習の)試合展開に応じながら、みんなで「あーだ、こーだ」と言って、戦略強化に励んでいますね。
市川美余(いちかわ・みよ)1989年6月28日生まれ。長野県出身。中部電力カーリング部主将。ポジションはサード。1ショットで相手の石をふたつ弾く、ダブルテイクアウトを得意とする。趣味はゴルフ、旅行。――フォームの改善を行なったのは、どうしてですか。
市川 昨季は、氷に乗っている時間が長かったためか、体に少しずつ"ねじれ"のようなものが出てきていて、それがショットに影響していたんです。それを修正するために、今季は体幹をうまく使ったフォームというものを作ってきました。
――氷の上以外では、フィジカルトレーニングをかなり消化しているようですね。
藤澤 まず何より、体力がなければ、集中してストーンを投げることができませんからね。
市川 同時に、スイープ(氷を掃くこと)を意識しながらトレーニングしています。スイープするときと同じ筋肉を(フィジカルトレーニングでも)使っています。また、体のメンテナンスを兼ねて、ピラティス(体のコンディションを整えるエクササイズ)も取り入れるようになりました。おかげで、昨年までは疲れが出てくると、ショットやスイープでバランスを崩してしまうことが多かったのですが、体幹を意識して(体を)動かせるようになり、ブレることが少なくなったように感じています。
――チームのコミュニケーションはいかがでしょう。意見が食い違って、喧嘩になったりすることはありませんか。
市川 もちろんアイスの上では、意見の言い合い、ぶつかり合いはあります。
藤澤 チーム結成から4年が経ちますが、ほんと、みんなで何でも言い合えるようになった。その分、アイスの外では喧嘩するようなことはないですね。もし、今のように言い合えていなかったら、(喧嘩)していたかもしれない。
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