2013.09.06

五輪開催都市決定前夜。ブエノスアイレス市民が見た「日本」

  • 三村高之●文 photo&text by Mimura Takayuki

 IOC総会開幕を控えた9月2日、猪瀬東京都知事が現地のブエノスアイレスに到着。長旅の疲れもみせず、夕方から約3キロメートルのジョギングを行なった。コースはプエルト・マデーロと呼ばれる再開発されたウォーターフロントの遊歩道。日本から来た多くの報道陣も、ムービーやカメラで知事を撮りながら一緒に走る。この異様な光景にポルテーニョ(ブエノスアイレスっ子)は、「いったい何事だ。あれは誰だ」と興味津津の様子。走る一団の全員がアジア人なので、中国の映画スターだと思った人も多かった。

アルゼンチン在住の日系人も招致活動にひと役買っている「東京都の知事だ」と教えても、ピンと来る人は皆無だった。自国と直接関係ないことなので、IOC総会が開かれ、2020年五輪の開催地が東京、マドリード、イスタンブールのどこかに決まること自体、この時点ではあまり一般市民には知られていなかった。

 総会のことが初めてニュースのネタになったのは、その翌日の夜のこと。もっともメインは、「メッシがマドリードを支援した」ということで、それに付随する形で、7日の投票で開催地が決まることなどが報じられた。