【カーリング】市川美余&藤澤五月が明かす「女王・中部電力の秘密」
ソチ五輪出場へ向けて
中部電力・市川美余&藤澤五月インタビュー
カーリング女子のソチ五輪出場権をかけた戦いが迫る中、日本代表の大本命と言える、中部電力カーリング部主将の市川美余と、スキップ(氷の状態を読み、作戦を組み立てる司令塔)の藤澤五月を直撃。まもなく始まる世界最終予選日本代表決定戦、そして12月に行なわれる世界最終予選に向けての意気込みを聞いた。
中部電力の司令塔・藤澤五月(左)と主将の市川美余(右)
◆ソチ五輪への道
●世界最終予選日本代表決定戦(9月11日~9月17日/北海道・札幌市)
参加チーム:中部電力、北海道銀行、札幌国際大学、LS北見
※上位1チームが日本代表として世界最終予選の出場権を得る
●世界最終予選(12月10~12月15日/ドイツ・フュッセン)
参加チーム:ドイツ、日本、中国、イタリア、チェコ、ラトビア、ノルウェー
※上位2チームがソチ五輪の出場権を得る
――ソチ五輪出場権をかけた戦いがいよいよ大詰めを迎えます。まずは日本代表として出場した3月の世界選手権(ラトビア・リガ)の話から聞かせてください。初めて体験した"世界"の戦いはいかがでしたか。
市川美余(以下、市川)チームで言えば、技術的な部分は通用すると感じました。ただ、やってはいけないミスが出たし、スイーパー(氷を掃く選手)のウエイトコントロール(ストーンの速さ、強さの調整)と、ハウス(ストーンを投げ入れる円)から指示を出す選手のラインコールがかみ合っていない場面がありました。その辺りの、チームとしての成熟度と理解度は足りていなかったと思います。
藤澤五月(以下、藤澤)私は戦略的な部分、特にアイスリーディング(氷の状態を読むこと)をもっと向上させなければいけないな、と強く感じました。具体的に言うと、大会初日は氷が(どんな状態なのかを読むのが)難しかったので、セーフティーな戦略しかチョイスできなかったんです。それは、仕方のないことですが、試合を消化しつつアイスに慣れて、アイスメーカー(製氷技術者)が氷をいい状態にしてくれたときを迎えても、どこで自分たちのスタイルである攻めるカーリングを仕掛けるか、という判断と決断が悪かった。アイスの読みと戦略の切り替えがうまくできていなかったですね。強いチームは必ずどこかで切り替えて、(ハウス内に)石を置いて攻めてくる。でも自分たちは、ディフェンシブにいくのか、攻めるのか、勝負どころの見極めができていなかった。そこは、かなり反省しています。
市川 私個人としても、アイスリーディングや戦略を含めて、スキップ(藤澤)にもっといいアドバイスができるサード(3番目にストーンを投げる選手。スキップのサポート役も務める)にならなければいけないと思いましたね。あと、緊張することはなかったのですが、(大会)後半になると疲れもあって、気持ちに余裕がなくなってしまったのが課題でした。それを克服して、大会全体を通して高いパフォーマンスを維持できるように、肉体的にも、精神的にも、改善していきたいですね。
1 / 4