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羽生結弦、五輪連覇の舞台裏 ケガで欠場中に取り組んだ「勉強」で成長 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Toshimi Oriyama

【逆境を跳ねのけ五輪連覇を達成】

 平昌五輪がある2017−2018シーズン。五輪連覇に向け、SPはソチ五輪後の2シーズンを滑った『バラード第1番ト短調』を選択。フリーは2シーズン前に「和の雰囲気を世界でどう評価されるか見てみたい」と採用し、歴代世界最高得点を連続で更新した『SEIMEI』を選んだ。

 9月のオータムクラシックでは、フリーでサルコウ、トーループ、ループにルッツも加えた4回転4種類5本の構成に挑むことを表明した。その1週間前のUSインターナショナルクラシックでチェンが5種類目の4回転であるループを成功させていたこともあり、彼のこれからの進化も予想しての挑戦だったのだろう。だが、その挑戦はのちに羽生を窮地に追い込むことになる。

 チェンとの対戦となったGPシリーズ・ロシア大会は、SPで転倒のミスが出てチェンに5点以上差をつけられる2位発進となった。フリーは4回転の成功こそ3本にとどまったが、冒頭の4回転ルッツを成功。4回転4本成功のチェンをしのいで1位となったが、総合順位ではチェンに届かない2位にとどまった。羽生はそれでも、4回転ルッツの成功に大きな手応えを感じていた。

 ところが、2戦目のNHK杯で思わぬ事態が起こった。体調不十分のなか臨んだ前日の公式練習中、4回転ルッツで右足首を負傷。翌日には「右足関節外側靱帯損傷」の診断とともに、大会欠場が発表された。さらに、その治療にはかなりの時間を要し、全日本選手権までも欠場することになってしまった。

 そのため、平昌五輪の代表には実績が評価されて選出されたものの、羽生は連覇をかけた大舞台にぶっつけ本番で挑むことになった。

「ケガをしてからの3カ月間は試合を見るだけだったし、スケートができないきつい時期を過ごしていました」と話す羽生の平昌入りは、男子SPの5日前だった。2月13日の公式練習後の記者会見には各国の記者も大勢駆けつけ、注目度の高さをうかがわせた。

 羽生はケガでスケートができない期間、陸上でのトレーニングに力を注いできた。それは「無駄な時間ではなく、多くのことを学べた時間だった」というが、氷上練習に入ってジャンプが跳べるようになったのは、この会見の数週間前のこと。3回転とトリプルアクセルがおよそ3週間前、4回転は2週間半前くらいだった。そんな状況にありながら、羽生は落ちついた表情で記者たちの質問に淡々と答えていた。

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