検索

【フィギュア】シニアの舞台に挑む島田麻央「私の強みはスピン」 『ドリーム・オン・アイス2026』新SPを披露 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Toshimi Oriyama
  • 能登 直●撮影 photo by Sunao Noto / Dreams on Ice 2026

 伸びのある滑りで3回転フリップを跳ぶと、後半の3回転ルッツ+3回転トーループも安定。見どころにしたいと話していたステップシークエンスはこれまでとはひと味違うような力強さも感じさせる滑りで、再生への期待を歌い上げるかのような感情表現も見えてくる。そして終盤のレイバックスピンとチェンジフットコンビネーションスピンは、彼女のもうひとつの見せ場でもあるスピード感あふれる滑りを見せる。

「ジュニアの時は『ジャンプをしっかり跳ばなければ』ということばかりに意識がいっていたけど、私の強みはスピンでもあるので‥‥。これからはもっともっと全体的なスピード感や表現というのも強みにしていきたいなと思っているので、シニアではそこも見せていきたいなと思います」

 こう話すように、今季からのルール改正はフリーではジャンプがこれまでの7本から6本になったのが大きな変更点だが、それとともにスピンやステップの基礎点がこれまでより高くなっている。そこをしっかり最高レベルの4にしてGOE加点をより多く稼ぐことも重要になってくる。

 その点では島田は、以前「小さい頃に先生にスピンの練習をメチャクチャさせられて。本当に気持ち悪くなるくらいまで回っていたので、今になってそれがすごくよかったと思います」と話していたように、これからはスピンを得点アップの武器にできるという強みも持てるようになる。

 またフリーでも新たな挑戦をしている。新プログラムはクリストファー・ティンの『Waloyo Yamoni』で、振り付けはSPで初めてタッグを組んだ村元哉中氏に続き、シェイ=リーン・ボーン氏とも初めてタッグを組んだ。「シェイ=リーンさんは元々自分もやってみたいなと思っていましたし、先生からも『やってみてもらったら?』と言ってもらえたのでお願いしました。振り付けをしている時も自分がやりやすいような音を選んでもらえて、すごく滑りやすいプログラムになっていると思います」と島田は話す。 

 これは雨を祝う祈りの曲。「雨乞いの曲なので、雨が降ったらすごい自然が育っていくという、自然の素晴らしさを自分の体で表現できたらいいなと思っています」という。

シェイ=リーンは、羽生結弦も「いろいろ勉強して、深いところまで考えてプログラムを作ってくれる」と信頼していた振り付け師だ。そんな彼女が作り出す精神世界と自然との融合を、18歳になる島田がどのように演じてくれるかという期待も膨らむ。 

 昨季はケガもあったが、ジュニア無敗というなかでは練習中に「次でもし負けたら連勝が止まってしまう」と考えることもあったとも話していた。常に勝利を求められるプレッシャーも大きかった。だが新しいシーズンは、これまで4年間に背負い続けていたプレッシャーから解放される時でもある。GPシリーズは第2戦のカナダ大会がデビュー戦で、2試合目のフィンランド大会では五輪女王のアリサ・リウ(アメリカ)との対戦が待っている。再び挑戦者として臨める彼女が、シニアの世界にどんな新風を吹き込んでくれるかと期待は高まる。

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

2 / 2

  • Googleで優先するソースとして追加

Googleの「優先ソース」について

キーワード

このページのトップに戻る