宇野昌磨「攻め続けたい」史上初の4回転フリップ成功、4回転5本構成......世界トップへの道のり (3ページ目)
【久しぶりに見せた笑顔】
2017−2018平昌五輪シーズンは、「攻め続ける」という言葉どおりに、初戦のロンバルディア杯からフリーに4回転サルコウを入れる4回転4種類5本の構成に挑む。そのフリーは冒頭の4回転ループでわずかなミスはあったものの、以降は後半に入れた3本の4回転を含めてきっちり決めて自己最高得点の214.97点を獲得。合計でも自己ベストを塗り替える319.84点と、好スタートを切った。
GPシリーズでは、4回転サルコウを入れなかったカナダ大会は301.10点で優勝したが、次のフランス大会はインフルエンザが治ったばかりで体調が万全ではなく273.32点の2位。久しぶりにフリーで4回転サルコウを入れて4回転5本としたGPファイナルも、後半の4回転トーループ2本が崩れて、チェンをかわしきれず2位だった。
さらに、羽生がケガで欠場した全日本選手権では4回転4本にして283.30点で優勝はしたものの、ミスを続ける結果に終わった。フリーでは後半の4回転フリップで転倒したあとの4回転トーループを両足着氷で連続ジャンプにできなくなると、単発の4回転トーループをダブルアクセル+4回転トーループに変更して挑戦。そのセカンドは2回転にとどまり、その後の3連続ジャンプも最後が1回転になった。
「(変更したダブルアクセル+4回転トーループは)絶対に跳べないというのはわかっていたけれど、ここでやらないことが何になるのかという気持ちがすごく出ていたので挑みました」と、納得いかないなかでの迷いを吐露していた。
ボーヤン・ジン(中国)に次ぐ2位になった四大陸選手権では、後半に入れた4回転2本とトリプルアクセルからのコンビネーションジャンプ2本はすべて跳びきって得点源として機能させ、197.45点を獲得。合計は297.94点にした。
「失敗してもそこから立て直す練習をしてきたのでそれが試合でもできました。シーズン前半よりいい練習を積み上げてきたし、自分の求めているものはまだまだ上にあるので達成感はありませんが、後半の4回転トーループが跳べたことはうれしかった。これをスタートとして、もっといい演技ができたらいいなと思います」
宇野はそう言って、久しぶりに納得の笑顔を見せていた。
【プロフィール】
宇野昌磨 うの・しょうま/1997年12月17日、愛知県生まれ。全日本選手権優勝6度、世界選手権連覇、2018年平昌五輪銀メダル、2022年北京五輪銅メダルなど華々しい成績を残す。2024年に現役引退し、現在はアイスショー出演などプロスケーターとして活躍している。2025年からは自身が企画・プロデュースしたアイスショー『Ice Brave』および『Ice Brave 2』を開催。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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