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フィギュア日本男子はメダル獲得なるか? 鍵山優真に求められる攻めの演技【ミラノ・コルティナ五輪】 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【仲良し3人組の相乗効果に期待】

 一方、鍵山とメダルを争うライバルとなると、まず挙げられるのは306.78点の自己ベストを持つアダム・シャオイムファ(フランス)と、2025年世界選手権2位のミハイル・シャイドロフ(カザフスタン)になるだろう。

 ただ、今季のシャオイムファはミスも多く、GPシリーズは2試合とも2位でシーズンベストは280.95点にとどまっている。また昨季、急成長し、自己ベストを287.47点に伸ばしていたシャイドロフは3種類の4回転だけではなく、その4回転をコンビネーションジャンプでも独創的に使う魅力は健在だが、今季はSPからミスが出ていて、シーズンベストはチャレンジャーシリーズ(CS)デニス・テン・メモリアルチャレンジの282.22点止まりだ。

 不気味なポテンシャルを持つこのふたりがどこまで立て直してくるか、それ次第で鍵山を含めた戦いは大きく変わってくるだろうが、GPファイナルで自己ベストを292.58点まで伸ばした佐藤駿(エームサービス/明治大)も、そのなかに食い込んでくる可能性も持つ。

 とくに今季の佐藤は、自信を持った演技の姿勢に成長も感じさせる。昨季の世界選手権は、五輪の日本男子出場3枠の獲得がかかるなかで大きなプレッシャーがあったが、佐藤はわずかなミスで滑りきって6位になり、3位の鍵山とともに3枠獲得に貢献。その経験は大きな自信になった。

 今季は昨年6月の『ドリーム・オン・アイス』で右足首骨挫傷を負ってのシーズンインになったが、GPシリーズに入ってからは冷静な滑りで中国大会を優勝。NHK杯は鍵山に次ぐ2位に入った。そして、GPファイナルのSPではトリプルアクセルのオーバーターンで自身初の100点台は逃したが98.06点を獲得し、フリーも自己ベストと着実に得点を挙げてきている。

 全日本はSPで冒頭の4回転ルッツが3回転になるミスで5位と出遅れて合計276.75点の2位という結果になったが、NHK杯とGPファイナルに続きフリーでは鍵山を上回る得点を獲得。五輪でもSPで100点台に乗せることができれば、合計300点も視野に入ってくるだけに、表彰台争いにも加われそうだ。

 そして3人目は、昨季負った左太もも肉離れの回復を探りながらのシーズンインとなった三浦佳生(オリエンタルバイオ/明治大)。シーズン序盤は苦戦したが、SP、フリーともに昨季のプログラムの継続を決めてからは復活の気配を見せ、全日本は261.18点で3位になって五輪代表を決めた。

 フリーではループとサルコウ、トーループの3種類4本の4回転を入れる構成に挑み、SPでも鍵山や佐藤が後半のジャンプをトリプルアクセルにしているのに対して三浦は4回転トーループを入れて基礎点向上を狙う気持ちの強さを持っている。合計の自己ベストも281.53点と高いポテンシャルを持っている。

 五輪代表の3人は小学生時代から切磋琢磨してきた関係で、日常生活でも大の仲良し。その3人で五輪に臨むことは、互いにリラックスして時間を過ごせる相乗効果も生むはず。大舞台に平常心で臨むことができれば、力を出しきれるだろう。そうなれば複数メダルや全員入賞も期待できそうだ。

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著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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