坂本花織、現役最後の全日本の結末は? 5連覇&五輪代表内定へ「1分1秒を惜しみなく」 (2ページ目)
【緊張感を楽しんで首位発進】
12月19日、全日本のショートプログラム(SP)は、大会特有の緊張感が漂っていた。その歴史や伝統に力を与えてもらったように弾けた演技をする選手、もしくは押しつぶされてしまったように力が出せない選手がいる。はっきりと明暗が分かれる残酷な世界だ。
この日、坂本は明らかに前者だった。
「今日は、今までになくいい緊張感のなかで演技ができました。自信を持って滑れたので、珍しく試合が楽しかったです」
彼女はそう振り返ったが、ブノワ・リショーが振り付けたプログラム『Time To Say Goodbye』の完成度は傑出していた。
冒頭の3回転ルッツを降りると、調子は尻上がりだった。ダブルアクセルはまさに彼女だけの様式で、上半身を大きく後ろに反ったあと、飛距離の出るジャンプ、着氷後のフリーレッグも際立って美しい。
3回転フリップ+3回転トーループも、スケート人生が投影されたように極まっていた。演技のなかで流れが失われず、スピン、ステップもすべてレベル4だった。非公認記録ながら今シーズン世界最高となる79.43点を叩き出し、新星・島田麻央を僅差で抑えて首位に立った。
2 / 3

