羽生結弦が語った地元仙台の新リンクへの思い ショーでは『春よ、来い』で「始まり」を表現 (2ページ目)
【新リンクは「演技の質感を感じられる」】
仙台といえば、青葉山公園内にある五色沼は、日本フィギュアスケート発祥の地として知られる。その歴史にふさわしく、仙台からは羽生と荒川静香のふたりの五輪金メダリスト、近年では2024年GPファイナル3位の佐藤駿や2025年世界選手権3位の千葉百音など、数多くのトップスケーターを輩出している。
そんなフィギュアスケートの「聖地」に新たなに誕生した本格アイスリンクは、仙台を拠点とするスケーターにとって心強い存在になる。出演スケーターたちは「スケートを身近に感じられる場所になったらうれしい」と口をそろえた。仙台で生まれ育ち、ずっと地元を大切にしてきている羽生にとっても喜びはひとしおだろう。
羽生は、「世界トップを狙っていくとどうしても恵まれた環境へ行かざるを得ないことが僕を含めてあって。そうなると、故郷や家族、仲間への思いだったり、いろんなことが『うわー』となる日がある......」と過去の経験を振り返りながら、「やっぱり好きな場所で好きな仲間や好きな先生と一緒にずっと(スケートを)できたらいいなと思います」と語った。
2012年にオープンしたゼビオアリーナ仙台では、もともとバスケットボールの試合やコンサートなどが開催されてきたが、今回、通年で使用できるアイスリンクにリニューアル。しかも、氷上に断熱材と木製の床を敷くことで従来のイベントも行なえるという、国内でも珍しい仕様だ。
羽生は、新リンクについて「(フロア)イベント用に作られた会場なので常設の氷を張るのは非常に大変な作業だったと思います。すごく感謝したいです」と話したうえで、実際に滑った感想をこう説明する。
「まだ張りたてではあるので、これからいろんな経験を積んで、もっともっと試合でも活躍してくれるような"氷"になってくれると思います。また、お客さんが入った時に表情がすごく見える、近くに演技の質感を感じられる会場のひとつだと思うので、ぜひ足を運んでいただけたらうれしいです」
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