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羽生結弦が語った地元仙台の新リンクへの思い ショーでは『春よ、来い』で「始まり」を表現 (3ページ目)

  • 一ノ瀬 伸●取材・文 text by Ichinose Shin
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao / The First Skate

【ショーをきっかけに何か一歩進んでほしい】

 今回は、オープニングとエンディングで未来を担う"後輩"たちと共演した羽生。若手スケーターへはどんな思いがあるのだろうか。

「僕自身、本田さんや鈴木さんと一緒に滑ることが小さい頃からアイスショーであって、そのたびに非常に大きな刺激を受けた。小学6年生の頃からシニアのアイスショーに参加させていただいて、その時に間近で見るジャンプの迫力、表現力、スピードの緩急......いろんなことに刺激を受けました。そして勉強になりました。

 今日滑った子どもたちが、僕らのなかからちょっとでも刺激を受けたり、また勉強になったり。『こいつらより絶対うまくなってやる』と思ってくれるような子たちが出てきてくれたらうれしいなと思います」

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 またスケートを続ける思いや今後に関わる質問に対しては、「体が動くうちは全力で、全身全霊で滑り続けたい」と答えた。

「ただひたすら自分が目指しているものであったり、また新しいものや理想だったり、そういったものを常にアップデートしながら、いいものを日本に、世界に発信できるように頑張っていきたいと思います」

 今回のアイスショーで『春よ、来い』を選曲した背景には、「始まり」への思いを込めたという。「始まりがひとつのテーマであるので、自分にとっては始まりの季節・春というようなイメージで選ばせていただきました」と羽生。

「今日滑った子たち、そして見に来てくださった方々のなかで、(ショーを)見たことをきっかけに何かが始まったり、何か一歩を進めることができたらいいなという思い、祈りを込めて滑りました」

 この日、新リンクで生まれた感動が、誰かの新しい物語につながっていきそうだ。

(文中敬称略)

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著者プロフィール

  • 一ノ瀬伸

    一ノ瀬伸 (いちのせ・しん)

    ライター・編集者/1992年、山梨県市川三郷町生まれ。立教大学社会学部卒業後、山梨日日新聞記者、雑誌「山と溪谷」編集者などを経て2020年からフリーランス。「webスポルティーバ」では競技問わず企画・編集を主に行なう。自身は元高校球児でアンダースロー投手だったが、目立った活躍はなかった。

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