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【フィギュア】世界選手権で初表彰台の千葉百音「過信せず、過小評価せず」 世界国別対抗戦へ「躍進」誓う

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【世界の舞台でバイブスを上げられた】

 昨年に続く2度目の挑戦だった3月の世界選手権で3位と、初めてのメダルを獲得した千葉百音(19歳/木下アカデミー)。ショートプログラム(SP)は日本勢トップの2位発進、フリーは順位をひとつ下げた戦いについて、千葉はこう振り返った。

「ショートプログラムは完全に自分に打ち勝てたけれど、正直、フリーはちょっと緊張に勝ちきれなかったところがある。これからどんどん場数を踏んで、経験していくしかないと感じています」

世界選手権で好演技を見せ、3位に入った千葉百音 photo by Kyodo News世界選手権で好演技を見せ、3位に入った千葉百音 photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る

 前戦、2月の四大陸選手権ではSPの2位からフリーで6位に順位を落とす悔しい結果。フリー当日に胃腸炎になり、「不本意だった」と千葉は、この世界選手権で「悔いを晴らしたい」と話していた。

 SPは集中力と気迫にあふれ、冒頭からスピードに乗った滑りでほぼノーミス。得点は今季自己ベストの73.44点をマークした。

「今シーズンで一番楽しめた演技。最後の3回転フリップ前のキャメルスピンを終えたあたりから、すごくハイテンションな感じでいけました。去年の世界選手権のショートでは、最後のルッツをパンクしたのが知らず知らずのうちに自分のなかでトラウマになっていたけれど、それも全部忘れるくらいのハイテンションでした。そして練習どおりにフリップが跳べて、すごく楽しめました」

 そう話す千葉は、好演技の要因について「6分間練習の時から自分をしっかり俯瞰して捉えられていたので、緊張と向き合えた。緊張に合わせて自分の"バイブス"(気持ちの盛り上がり)もどんどん上げていけて、すごくポジティブに捉えられてよかったと思います」と、納得の表情を浮かべた。

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著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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