ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪にロシア勢参加で坂本花織は「ワクワク」 (3ページ目)
【五輪にロシア勢参戦にワクワク】
史上9人目になった4連覇達成については「昨季は3連覇を目指してシーズンを戦っていたのでうれしかったけれど、今季は4連覇を主目的にしていたわけではない。昨季ほどの達成感は感じない」と冷静に話す。
その理由は、すでに来季のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪へ視線を向けているからだ。
「今シーズンと来シーズンを2年連続でつなげて考えていきたい。2年でひとつということで考えると、やっぱり最終目標はあくまでも五輪。それ以前の試合は通過点として捉えたいので、そこには前ほど重きを置きたくない。ただ、絶対優勝はしたいという気持ちは忘れずにやっています」
自身の心のうちをそう説明する坂本。だが、全日本の大会期間中には、ロシア勢が来季は五輪に限って復帰し、最終予選を通過した場合、シングルは男女1名と、ペア、アイスダンス1組ずつが出場できることを国際スケート連盟が発表した。
坂本は「以前、ロシア勢は3人だったので、その誰かの間には入りたいという気持ちで戦ってきたので、その気持ちがまた復活するんだなと思うとめっちゃワクワクします。ただ、今はロシアだけではなく、アメリカなど他の国も強いので、強い選手がたくさんいるなかで戦えることに自分はすごく燃えます」と話した。
23日まで行なわれていたロシア選手権では、トリプルアクセルと4回転トーループを跳ぶアデリア・ペトロシアンが262.92点で優勝。フリーで4回転トーループを2本跳ぶダリヤ・サトコワが234.69点で2位という結果。
国内大会で判定基準が少し甘くなっているとはいえ、ロシア勢の力はまだまだ健在だ。だが、坂本は今自分にできる最大限の進化を意識している。
「今シーズンからフリーではフリップとルッツを2本ずつ入れる構成に変えていますが、NHK杯からはだいぶ安定してきたので、3回転+3回転を後半に入れてより基礎点を上げようと取り組んでいます。その構成に変えたのは自分自身の可能性を広げるため。やっていることは間違いではないというのは実感できている」
最大限の努力を重ねて世界での戦いへ挑む。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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