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坂本花織ら日本勢5人出場のGPファイナル女子展望 「急浮上のスケーター」が日本の牙城を崩す? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【日本勢に立ち向かう急浮上のスケーター】

 そんな坂本を追いかける存在として今季急浮上してきたのが、坂本よりひとつ年上の25歳アンバー・グレン(アメリカ)だ。2023年から2年連続で世界選手権に出場しているが、12位と10位。昨季の全米選手権はフリーにトリプルアクセルを入れて210.46点で優勝しているが、公認記録では2022年四大陸選手権の190.83点が自己ベストだった。

 それが今季は、SPにもトリプルアクセルを入れ、他のジャンプのミスも減らして9月のロンバルディア杯では坂本らを抑え、212.89点で優勝。フランス杯はSPで自己最高得点を出し、フリーは崩れたが210.44点で優勝。そして、中国杯は自己最高の215.54点をマークして優勝している。

 まだ全体的に荒さのある滑りで波はあるが、220点台中盤まで出す実力は見せている。初出場のGPファイナルでいい結果を残して自信をつければ、さらに進化しそうだ。

 坂本、グレンに続くのが、NHK杯と中国杯で2位を堅持し、GPファイナル初進出を決めた千葉百音(木下アカデミー)だ。

 夏場に右足甲を痛め、9月のネーベルホルン杯はジャンプの回転不足も多く193.37点で4位。NHK杯はミスをわずかに抑えて212.54点。そして、中国杯でもSPとフリーでそれぞれミスはあったが、合計を211.91点にしている。

 小さなミスを解消すればもう少し得点を伸ばせる。昨季の四大陸選手権は214.98点の自己最高得点で優勝しており、大舞台での強さがある選手だ。NHK杯と中国杯とGPファイナルは過密日程で、日本と中国はほとんど時差がないが、GPファイナルはフランス開催で8時間の時差がある。彼女にとっては初体験になるが、乗り越えられるかにも注目したい。

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