宮原知子と坂本花織が語らう『ファンタジー・オン・アイス』裏話「絆があるアイスショー」 (4ページ目)
【ショーの魅力は個性とつながり】
ーー海外のスケーターが多いアイスショーですが、交流エピソードはありますか?
坂本 それはけっこうあります!
宮原 私はステファンやギヨーム、ポール(・ポワリエ)がいる時は、一緒にごはんに行くことが多いです。Aツアーの時もほぼ毎日一緒にご飯を食べて、変な冗談を言いながら笑って過ごしていました。
坂本 私はエアリアルのメリー(・アゼベド)さんとアルフォンソ(・カンパ)さんが、理由は忘れたんですけど、一昨年くらいから私のことを「メレンゲ」って呼んでくれていて。今年、西宮でリハーサルをやった時に(坂本がモデルを務めている)海上保安庁のポスターが貼ってあるんですけど、会うたびに「メレンゲ!」と言いながらポスターの敬礼を真似してくれたり、先日オリックス・バファローズの帽子を被っていたら「B」と書いてあるのを見て、ずっと「B......バオリ......?」って言っていましたね(笑)。
宮原 あと、海外スケーターのみんなは耳がいいので、日本語の歌もすごくうまいんですよ。歌詞をちゃんと歌えているわけではないんですけど、ちゃんとそれっぽく歌っていて。
坂本 そう、すごくうまい! ステファンがすごかった! 石井(竜也)さんのビブラートのマネがすごかったです。
ーーあらためてFaOIの魅力をひと言で表現するなんでしょうか?
宮原 ファンタジー。
坂本 おぉ〜!
宮原 毎年思うんですけど、スケーターの個性がすごく濃いと思うんです。一人ひとりのキャラがすごく濃くて、ショー自体が個性の集まりみたいな感じ。
坂本 わかる!
宮原 だから、ファンタジーにあふれているなといつもすごく感じています。
ーーでは坂本選手、最後にファンタジーを超えるひと言をお願いします。
坂本 豪華なアーティストさんが出てきたりステージが動いたりはもちろんなんですけど、やっぱり「つながり」かな。いろいろなつながりがあると思うんです。アーティストさんとのつながり、スケーター同士のつながり、スタッフのみなさんとのつながり、お客さんとのつながりがある。それぞれが自分のプログラムを披露するだけではなくて、プロスケーターも現役選手もアンサンブルも全員で協力してひとつのアイスショーをつくり上げているという感じがするんです。みんなでいいものにしようというつながり、絆があるアイスショーだと思います。
後編<宮原知子と坂本花織が『ファンタジー・オン・アイス』の見どころを語る プログラムに「性格が出る」>を読む
【プロフィール】
宮原知子 みやはら・さとこ
1998年、京都府生まれ。4歳からフィギュアスケートを始める。2014〜2017年に全日本選手権4連覇。2015年世界選手権2位。2018年平昌五輪に出場し、日本選手大会最高位の4位に輝いた。2022年に現役引退し、プロスケーターとして活躍中。
坂本花織 さかもと・かおり
2000年、兵庫県生まれ。中学2年の時に全日本選手権で6位入賞し注目を集める。2018年平昌五輪で6位入賞、2022年北京五輪では銅メダルを獲得。全日本選手権は2018年、2021〜2022年の通算4度優勝。世界選手権は2022年から3連覇中。
著者プロフィール
山本夢子 (やまもと・ゆめこ)
スポーツライター。青森県八戸市出身。5歳からフィギュアスケートを習い始め、高校卒業まで選手として各大会に参加。その後、渡米し大学を卒業、就職。帰国後は、コピーライターとして広告制作に携わる。2005年からフリーランス。現在はライターとしてフィギュアスケートの専門誌を中心に執筆中。
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