「りくりゅう」三浦璃来・木原龍一が日本勢初のペア世界王者&年間グランドスラム達成 悔し涙が喜びの大号泣に変わった瞬間 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

●初優勝の快挙も「気持ちの弱さが出た」

「今シーズンは世界選手権へ向けて後悔のないように練習をしてきたけど、やっぱりフリーで気持ちの弱さが出て少しミスをしてしまった。優勝は本当にうれしいんですけど、失敗した分は来シーズンもっともっと頑張っていけたらと思います」

 こう話す三浦のミスというのは、スロー3回転ループの転倒。今シーズンはこのジャンプで転倒したことがなかった。

「タイミングがずれたんだと思う。降りたけど、耐えることができなかった。もう一回やったら絶対に成功させられると思うので、プレッシャーというのではなく過去の自分に負けてしまったという悔しさです」

 それでも勝負を制すことができたのは、SPでこれまでの練習を体現する滑りをしたからだ。3回転トーループを跳んでから力感のあるリフトへとつなぐ、安定感が際立つ演技だった。

 SPの得点は北京五輪優勝のスイ・ウェンジン/ハン・ツォン(中国)の84.41点を筆頭に、五輪や世界選手権で活躍するロシア3ペアを入れ、これまで4組しか出していなかった80点台。

 結果に木原は「80点台を出しているのは、僕たちよりはるかに上のレベルの方々なので。その足元がちょっとだけ見えてきたかなと思えたのですごくうれしいです」と話していた。

 反省点の残ったフリーのあとに木原は「ショートはすごくよかったけど、フリーは自分たちの弱さが少し出てしまったので、見えかけていた強い選手たちの足元は、またどこか遠くへ歩いて行ってしまいました。だから来シーズン、少しずつ詰めていけたらいいと思います」と笑顔で話した。

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