「りくりゅう」三浦璃来・木原龍一が日本勢初のペア世界王者&年間グランドスラム達成 悔し涙が喜びの大号泣に変わった瞬間 (3ページ目)
●次世代の挑戦につながってほしい
これまでふたりがずっと意識し続けてきたのは、前の試合より進化するということ。遠くにある目標を追いかけるのではなく、自分たちの足元を見て少しずつでも成長する姿勢だった。それが確実に自分たちの基盤をつくると信じているからだ。
ロシア勢が出場できなかった今シーズン。三浦/木原ペアの出だしは遅れたものの、グランプリ(GP)シリーズ3戦を含めて出場した5試合はすべて優勝。
GPファイナルと四大陸選手権、世界選手権を制したことで、日本勢初の年間グランドスラム獲得。これまでなかなか注目されていなかったペアで果たすことになった。
「正直、意識していなかったし、そういうものがあるんだという程度でした。でもそれを達成できてよかったし、こういう結果を見た次世代のペアの子たちが、挑戦してみようと思うようになってくれたらうれしいです。
今シーズン達成したグランドスラムの影響が10年後、20年後に出てきた時に、そのきっかけが今日だったね、と言われるようになればいいですね」
初めて合計200点台を出し、世界と戦う自信をつけたのが昨シーズン初戦のオータムクラシック。
それから着実な成長を続け、たった2シーズンで220点台にまで乗せた"りくりゅう"の進化は、まだまだ続くだろう。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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