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村元哉中・髙橋大輔、全日本フィギュア首位発進も「お互いのリズムのズレが出た」。初制覇に向け「何も考えない」がテーマ (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【首位発進も「動き固かった」】

 12月22日、アイスダンスのリズムダンス(RD)に第2グループで登場したかなだいは、5分間練習からライバルとの技量の差を見せつけている。ツイズルひとつとっても、左右どちらから回っても呼吸が合うカップルは意外に少ない。

「楽しんで。アイスショーは緊張しないでしょ? それと同じ。自分たちのショーだと思って滑りなさい」

 マリナ・ズエワコーチから、かなだいはそう声をかけられたというが、まさに彼らの宴になった。

 冒頭のコレオから出来ばえ点(GOE)は5.10点と群を抜き、ツイズルもレベル4を獲得している。パターンダンス、ミッドラインステップシークエンスも高得点だった。熟練のアイスダンサーと音を拾う天才がラテンダンスで共鳴。完全に他を圧倒していた。

 ただ前日練習と比べると、表情に緊張と気負いがかすかに走っていたか。

「練習からすごくいい感じだったのですが。今日は氷の上に立った時、急に緊張が高まってきて。自分のなかで、少し動きが固かったかもしれません」

 村元は正直にそう明かしている。

 最後のリフト、時間制限(7秒間)を超えてしまい、1点の減点を受けた。ポジションの切り替えでいくらか動きが詰まって、足を下ろすのが遅れてしまった。それはゼロコンマ秒の話で、体感でははっきりわからないほどのズレだという。

「音のはまりはよかったんですが、お互いのリズムのズレが少し出て。バシッといくと本当に気持ちいいんですけど」

 髙橋が無念さをにじませたように、80点を逃した口惜しさは残した。ただし、それは高い次元でのもの足りなさと言える。RDは77.70点で、堂々の首位発進だ。

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