江川マリア、住吉りをん、渡辺倫果...全日本フィギュアへの期待も大きい3名の魅力 (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

江川マリアはジャンプの質で勝負

 そして群雄割拠の東京選手権を制したのは、江川マリア(18歳、明治大)だった。SP、フリーと1位、総合187.58点で完全優勝だ。

優勝を果たした江川マリア優勝を果たした江川マリア 江川は全国高校スケート選手権では3年連続表彰台に上がり、住吉、松生理乃、千葉百音としのぎを削っている。ただ、昨年は活動拠点である福岡のパピオアイスアリーナが営業停止で、存続が不透明になった(その後、存続が決定)。福岡で3つの拠点を"流浪"する辛酸をなめたが、千葉・南船橋にあるMFアカデミーへ拠点を移し、明治大入学も決まって道が開けた。

「(フリーは)まとめたと言えばまとめた感じで。後半、崩れてループは抜けましたが。練習でもタイミングはハマッていなかったので、試合のアドレナリンで跳べることもあるんですが、やっぱり練習が本番に出るんだなと。練習から、もっと確率のいいジャンプを跳べるように」

 江川は先に視線を向けていた。東京選手権は通過点。東日本、全日本に照準を合わせている。

「1位にはなりましたが、後半疲れたので、もっと高い目標を、と感じました。トリプルアクセルも4回転も跳べないので、跳べるジャンプの質を高めて。もっと体にしみ込ませないと!」

 全日本選手権という大きな舞台に向け、それぞれの滑りが熱を帯びる。

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