フィギュア「りくりゅう」ペアが明かす急成長の理由。試合がない1年で「本当にわかり合えた」 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Enomoto Asami/JMPA

2人の間にあった壁がなくなった

――それでお互いの性格も理解でき、どう対応すればいいかもわかったのですか?

木原 そうですね。特に結成した最初のシーズンはお互いに遠慮があったけど、2シーズン目はいろいろわかってきて、今シーズンで本当にわかり合えた感じですね。

――その過程で、いろいろな発見もあったのでは?

三浦 最初、龍一くんには堅いイメージがあって、「怖いな」とも思っていたんです。でも話してみたら本当に気さくで楽しい。ギャップがありましたね。

木原 僕はなぜか、初めて会った人には「怖い」と言われることが多くて。しゃべったら印象が変わるみたいですけど(笑)。

――逆に、木原選手から見た三浦選手の性格はどうでしたか?

木原 トロントに渡った当時は精神的にまだ"幼さ"があって、ちょっと気を遣っていました。ただ、コロナ禍の期間を経てものすごく精神的に成長した。以前はうまくコミュニケーションがとれなかったこともあったのが、今はしっかり意思疎通ができるようになっています。

三浦 コロナ禍で自由に動けない時期は本当につらくて、私も落ち込むことが多かったんです。でも、私たちには先に試合があるから、「ここでくじけてはいけない」と。それで耐えることができるようになりましたし、少なくとも2年前よりは精神的に成長できたかなと思います。

木原 精神的にものすごく成長したことは、毎日の練習の中でも感じられるようになりました。以前だったら簡単に諦めていたところを諦めなくなったり、一度失敗しても必ず立ち直れるようになったり。そういうことを一緒に滑っていてすごく感じます。

――世界と戦う目標にする、という意識も同じレベルになってきたのですね。

木原 そうですね。コロナ禍で毎日一緒に練習した期間で、お互いに目指すところが一致しました。

――木原選手は五輪に2回出ていますから、三浦選手にとっては"先輩"という感じもあったのですか?

三浦 龍一くんは経験豊富で、精神面も安定しているので本当に信頼できます。ずっとサポートしてくれているので、私も成長ができたんだと思います。

木原 最初の頃は、2人の間に壁が1枚あるような感じだったけど、今は対等になった気がします。

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