鍵山優真「あんなに点数が出るとは思わなかった」。自己最高得点でフィギュア団体戦、メダル獲得へ前進 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直/JMPA●撮影 photo by Noto Sunao/JMPA

 後半に4回転トーループからの3連続ジャンプを入れるのは初めて。「失敗するにしろ成功するにしろ、いい経験になるかな」との気持ちだったという。だが、北京入りしてからの練習では調子が上がっていたこともあり、「自信満々だった」と笑顔を見せる。

 また、耐える着氷になった4回転ループは、2人のジャッジが1点と2点の減点をつけ、別の2人は0点だったが、結果的には0.60点の加点で、形のうえではノーミスの演技となった。だが、鍵山は「自分としては、4回転ループはちょっとマイナスと考えているので、個人戦ではもっといいループを跳びたいという気持ちのほうが強い」と冷静に分析。また、今季のフリーは、終盤では疲労困憊という演技が多かったが、「今回は6分間練習の時から謎の自信があった」と周囲を笑わせた。

 鍵山のあとに滑ったジョウは、冒頭から4本連続で入れた4種類の4回転ジャンプはすべてミスという滑りになり、後半は立て直したものの171.44点で、181.65点を出したROCのマーク・コンドラチュクにも及ばない3位という結果だった。

 団体戦のメダル争いは、カナダのロマン・サドフスキーが5位だったことで、日本は2位のアメリカを3点差まで追いつめるとともにカナダには9点差をつける結果となった。2月7日はアイスダンス・フリーダンスと、ペアと女子のフリーが行なわれるが、2種目でカナダが1位で日本は5位という結果になっても8点詰められるだけで3位は維持できるという、きわめて有利な状況だ。

 鍵山は樋口とともに団体戦のメダル獲得の可能性を限りなく大きくしただけではなく、個人戦の勝負に向けても大きく自信をつける演技を見せた。

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