宇野昌磨、団体戦で自己ベストも反省点。「点数を見た時に何か取りこぼしていると考えた」 (2ページ目)
【自己ベストも「もう少しできる」】
この日、ステファン・ランビエルコーチは、PCR検査で陽性反応が出たために不在だった。宇野は、「自分でも試合に向けて追い込みを課して練習も試合もしますが、コーチの存在がないともうひと押しというのは出てこない。今日はこれ以上の演技は望んではいなかったですが、ジャンプ以外の表現の部分ではコーチがいればもっと感情が入ったはず。それで失敗する可能性もあるが、自分の成長には必要な存在だと思います」と言う。
それでも宇野の得点は、2018年9月に出していた自己最高を1.31点更新する105.46点だった。だが、宇野はその得点を喜ぶのではなく、冷静に振り返った。
「105点を見た時にたぶん何か取りこぼしているなと考えました。動きにキレがなかったのでスケーティングも伸びがなかったし、スピンも遅かったし、ステップもレベルを落としていても仕方ないかなという滑りだったと思うので。それにジャンプもフリップは斜めになっていたし、4回転+3回転は2つ目のジャンプは若干つまり気味だったので。そういったところは個人戦へ向けては修正しなければいけないと思うし、体が動かなくてももっと自分の技術を上げる練習も、この大会が終わったらやっていきたいと思いました」
そんな自己分析どおりに、4回転フリップはネイサン・チェン(アメリカ)が4.24点の加点をもらっているのに対し、宇野は3.30点で、4回転トーループ+3回転トーループは2.58点。トリプルアクセルはジャッジの+4がもっとも多い好結果だったが、ステップはレベル3と取りこぼし、後半のチェンジフットスピンもレベル3でジャッジのGOE評価は+0〜3点といまひとつ。「もう少しできた」と話す宇野の言葉を示している出来だった。だが、そういう思いを口にするのも、「世界のトップを目指したい」との気持ちが本物である証とも言える。
【初日終え4位、団体戦初のメダルへ】
チーム対抗の得点争いを見れば、6分間練習から4回転ジャンプを軽々と決めていたチェンが冒頭の4回転フリップに加え、後半の4回転ルッツ+3回転トーループでも3.45点の加点をもらい、スピンとステップはすべてレベル4で111.71点を獲得して1位。宇野は2位で、日本は9点を獲得した。
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