村元哉中&髙橋大輔が感じる2年目の手応え。北京五輪に向け「自分のレベルをどれだけ上げられるか」 (2ページ目)
当時、髙橋はシングルスケーターとして復帰2年目。フィギュアスケートで日本男子初の五輪メダルや世界選手権優勝と、開拓者となってきた男のアイスダンス転向は大きなニュースだった。平昌五輪に出場していた村元と、新たな道を見つけた。
もっとも、道のりは平たんではなかった。シングルとアイスダンスは、別のスポーツに近い。スケート靴からして違い、そもそも後者はふたりで調和するスポーツだ。
「(アイスダンスは)課題しかないです。シングルの癖も抜けきっていない」
新競技に挑み始めたばかりの髙橋は、現実と真摯に対峙していた。
「今までひとりでやってきたので。自分の思いだけでなく、ふたりでやっていく、という気持ちの面でまず違う。人と気持ちをすり合わせるというか、そこから変えていく必要があると思います。お互いをよく知ることが、最初の段階で」
2020年に入ってから、ふたりはフロリダを拠点にアイスダンスに打ち込んできた。コロナ禍で満足に練習ができず、デビュー戦のNHK杯ではプログラムをわずか2カ月で仕上げたが、逆風のデビュー戦としては上出来だった。日本選手権ではミスもあったが2位に入り、生来的な華やかさと期待感で人々を魅了した。
「(初めてアイスダンスをした髙橋が)楽しい、難しい、どっちに転ぶかだと思ったんですが......。『楽しい』っていう一言が聞けたのが、うれしかったですね。難しい、だけだったら、どうかなって思っていたので。大ちゃん(髙橋)の『楽しい』という言葉が、すごく印象に残っています」
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