髙橋大輔&村元哉中が進む曲がりくねった道。全日本の経験を次に活かす

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

12月27日、全日本フィギュアのアイスダンス・フリーに臨んだ髙橋大輔と村元哉中のカップル12月27日、全日本フィギュアのアイスダンス・フリーに臨んだ髙橋大輔と村元哉中のカップル「一生の記憶に残るアイスダンサーになりたいです。アイスダンスをやりたい、と思ってもらえるようなカップルに」

 髙橋大輔とのカップル結成の時、村元哉中(かな)は声音こそ柔らかかったが、決然とした表情で語っていた。それは道標となることで、簡単ではない。しかし困難に挑んでいく野心と覚悟をにじませていた。

「タイミングが合った時のエッジの深さとか、めちゃくちゃ新鮮で! これはアイスダンスだけのものですね。ふたりでしか感じられないものだなと思っています!」

 隣の髙橋はそう言って、無邪気に目を輝かせていた。その好奇心と探求心で、シングルでは世界の頂点に立ったのだ。

 全日本選手権。村元・髙橋組は、"ふたりがひとつになった"と言える感触のある大会にできたのではないかーー。

 12月27日、長野。アイスダンス・フリーの当日練習は不安が漂っていた。前日、村元が負傷した左脚ハムストリングの状態は思った以上に悪かった。負担をかけないため、曲かけでの演技は回避。午後の演技にはぶっつけ本番で挑むことになった。リズムダンスではデビュー戦となったNHK杯を上回る67.83点を叩き出し、5人中2位に入っていたものの、ふたりは試練を迎えていた。

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