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宮原知子の「愛したプログラム」と来季。
練習再開後に「焦った」わけ (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • エンリコ/アフロスポーツ、能登直●写真 photo by AFLOSPORTS、Noto Sunao(a presto)

『牧神の午後への前奏曲』のプログラムを振り付けたローリー・ニコルさんは、コストナー選手のほとんどのプログラムを振り付けており、私も振り付けてもらっている振付師さんです。演じたナンバーはすべて好きなんですけど、十八番のプログラムである2018―2019シーズンのショートプログラム(SP)『小雀に捧げる歌』は、ニコルさんが振り付けてくれたものです。

 このプログラムは曲自体がすごく好きで、振り付けももちろん好きなんですけど、自分から「これで滑りたい」と強く思ったプログラムは、この『小雀に捧げる歌』が初めてでした。とにかく、プログラムを滑ることも衣装も、全部が好きなプログラムです。

 この曲との出会いは自分でも忘れてしまったんですけど、どこかで聴いて、すごく気に入って、「いいな」と思っていたところで、ローリーさんとプログラム曲を決めることになりました。そのときにローリーさんも、同じ曲を提案してくださったんです。いくつか持ってきてくださった曲の中にこの曲があり、「あっ、この曲はついこの前、いい曲だと思ったんです」とお話して、「それなら、これにしよう」ということになりました。

 私にとってこの曲は、「自由に滑れる」「気持ちよく滑れる」曲なんです。

 毎回、プログラム曲を決めるときに、どんな曲がいいかなとか悩んでしまいます。新しい音楽を見つけるのが苦手というか、どうやって探していいかわからなくて、最初の壁にぶち当たることが多いなかで、「自分でいいと思った曲」を見つけられたことで、あのシーズンは良い一歩を踏み出せたかなと思います。

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