2019.12.25

全日本で予想外の結末も、羽生結弦の真の強さは「こんなもんじゃねえぞ」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

四大陸選手権、世界選手権に出場することが決まった羽生結弦 12月22日の全日本フィギュアスケート選手権。男子フリーは予想外の結末になった。

 今大会、羽生結弦に疲労の色がありありと見てとれた。昼の公式練習では4回転ルッツを一度跳んだが、集中していたのは4回転ループだった。曲かけではそのループは少し詰まる着氷になったが、そのまま4回転サルコウにつなげてきれいに決めた。だが3回転ルッツから再開した滑りでは単発を決めたあとの4回転トーループでステップアウト。強引に1Euと3回転フリップを付けるジャンプにすると、そのあと少し間を取ってから跳んだトリプルアクセルからの連続ジャンプはシングルになり、1回転トーループを付ける出来だった。

 曲の終わり際には4回転トーループからの3連続ジャンプを跳んだ羽生。曲かけが終わってからはトリプルアクセル+3回転トーループ、4回転トーループを跳んだが、ややチグハグした感じで練習を終えた。さらに直前の6分間練習では、4回転サルコウを2回と4回転ループ2回に、パンクして2回転になったトーループのみと、本数を抑えていた。

 羽生のフリーの演技は、最初の4回転ループはステップアウトして1.80点減点される滑り出し。だがそれに動揺することなく次の4回転サルコウをしっかり決めると、スピンのあとのステップは攻めの滑りを見せ、「ここからしっかりしっかり滑り切る」という決意を感じさせた。

 しかし、次の3回転ルッツが2回転になる思いもよらないミス。演技後、その原因を問うと羽生は「何ですかね、イメージとすごく……何か、全部言いわけに聞こえるから嫌ですね。しゃべりたくないというのが本音です」と苦笑した。

「6分間練習まではよかったですし、感覚がそんなに悪かったわけではないので。何か、自分の精神状態と肉体の状態とイメージが、全部バラバラと乖離していった感じです」