日本男子フィギュア・ジュニア勢で羽生結弦に迫る選手は出てくるか? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 Text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 そう言って笑顔を見せた島田に続き、全日本ジュニア5位の鍵山優真もSPでトリプルアクセルをしっかり決め、最後の連続ジャンプの3回転ルッツが"ノットクリアーエッジ"と判定されたものの、ほぼノーミスの滑りで74.51点を獲得して6位発進となった。鍵山のコーチである父・正和は、全日本を3連覇して1992年アルベールビルと94年リレハンメルの2大会で五輪出場を果たしており、親子2代での活躍も注目されている。

 フリーは、最終組の最終滑走だった島田。「昨日の公式練習までは(調子が)よかったですが、今日は朝起きた瞬間から緊張して演技の前は逃げ出したいくらいでした」と、最初の4回転トーループが2回転になり、後半の最初の4回転サルコウも2回転に。その結果、合計219.78点で総合5位に終わった。

「演技後にステファンから『後半の4回転はサルコウではなくトーループにすればよかったね』と言われましたけど、練習で確率がいいトーループにスマートに置き換えることができなかったので、気持ちの切り替えの必要性も感じました。でも普通ではできない経験ができたし、3連続ジャンプを含む後半の4本のジャンプは大きなミスもなくできたので収穫かなと思います」

 そう振り返った島田は2019年3月の世界ジュニア出場を決め、次のステップへ向かうことになった。

 島田に次ぐ6位になったのが、SP6位の鍵山だった。フリー2本目のトリプルアクセルでは手をつき、後半の連続ジャンプは最後が両足着氷になって減点されたが、それ以外は勢いのある滑りを見せて、合計を216.36点にした。

 また、全日本ジュニアで優勝したSP11位で高1の壷井達也は、フリーで最初のトリプルアクセルこそ転倒したが、直後のトリプルアクセル+2回転トーループを決め、その後はほぼノーミス。合計を214.87点にして7位まで順位を上げた。そのほか、SP8位で高2の木科雄登は、フリーで挑戦したトリプルアクセルの2本目で転倒したものの、それ以外は手堅い滑りで総合8位と、ジュニア勢の競り合いに食らいついている。

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