低迷する本田真凜の現在地。「心と技術がぴたっとはまる」のはいつか

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 2016年世界ジュニア女王の本田真凜が、昨シーズンのシニアデビュー以来、不振を脱却できずに苦しんでいる。

 シニア2年目となる今季は、心機一転、練習拠点をアメリカに移し、これまで指導を受けていた濱田美栄氏に代わり、現世界王者のネイサン・チェン(アメリカ)らトップスケーターを指導するラファエル・アルトゥニアン氏に師事するようになった。高校も今年3月まで在学した関西大学高等部から青森山田高に転校して、スケートに集中できる環境を作り、「大好きな」スケートに向き合ってきた。

「これまでに経験したこともない練習」に取り組むことになったというが、拠点を移して半年余り、今季前半戦の結果から見ると、まだその成果は出ていない。

 全日本選手権ではSP18位、フリー15位、総合15位に終わった本田真凜全日本選手権ではSP18位、フリー15位、総合15位に終わった本田真凜 今季のグランプリ(GP)シリーズでは、スケートアメリカが8位(合計158.04点)で、フランス杯が6位(188.61点)。いずれもショートプログラム(SP)では4位につけて表彰台争いに加わるものの、フリーでは、課題のジャンプで回転不足のミスを連発し、得点が伸びずに順位を下げてしまう結果に終わっていた。

 どうにかして、このスランプから脱出したいと願う本田だが、もともと癖があり、しかも、いったん崩れてしまったジャンプを修正するのは一朝一夕にはいかない。今季の演技を見る限り、相当の覚悟と時間が必要になるだろうと予想がつく。

 17歳の本田は昨季、鳴り物入りでシニアデビューした。俳優の妹を持ち、かわいらしい容姿、抜群のスタイルもあって一躍人気者となる。デビュー前から有名企業がスポンサーについたり、大手の会社と所属契約を結んだりした。もちろん容姿だけではなく、ジュニアの大会では輝かしい結果を残してきた。

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