低迷する本田真凜の現在地。「心と技術がぴたっとはまる」のはいつか (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 しかし、ジュニアで活躍できたからと言って、そのままシニアでも活躍できるだろうと考えるのは甘かった。実際、シニアに参戦した昨季はまったく精彩を欠いた。GPデビュー戦のスケートカナダで5位とつまずくと、続く中国杯でも5位に終わる。五輪代表選考会だった全日本選手権で起死回生を狙ったが、スケート人生を懸けた大事な試合で自分の演技がまったくできずに総合7位となり、最大の目標に掲げていた平昌五輪出場を逃すことになった。

 そんなボロボロの状態から1年を経て迎えた今年の全日本選手権。本田は大会前にこう語っていた。

「去年の全日本から今年の大会までの一年間が、すごく早いなという印象です。この間、いろいろ環境が変わって、今までで一番大きく自分が変わった年なんじゃないかなと感じています。今年やってきたことが出せたらいいなと思うし、去年に比べると本当に気持ち的にもスケートとしっかり向き合えているんじゃないかなと感じているので、そんな気持ちの部分を演技に表せられたらいいんじゃないかなと思っています。

(GP最終戦の)フランス杯から1カ月間くらいで、やれることはできたんじゃないかなと思うので、あとは精神的な部分で今シーズンはまだうまくはまっていないので、それを克服できるように頑張りたいです。ちょっと焦る気持ちもあるんですけど、でも、今年は本当に一番自分が試されている我慢の年なんじゃないかなと思うので、うまく乗り越えて、心と技術がいつかぴたっとはまる時が来るように、今回の試合は自分の中でも大切な試合なんじゃないかと思います」

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