見えてきたフィギュア新ルールの影響。男子で最初に300点を超えるのは?
11月9日から広島市で開催されたNHK杯、宇野昌磨はスケートカナダに続く優勝を果たしてグランプリ(GP)ファイナル進出を決めた。
NHK杯で優勝してファイナル進出を決めた宇野昌磨 この大会、宇野はショートプログラム(SP)最初の4回転フリップは決めたものの、ふたつ目の4回転トーループは最近の大きな課題になっている回りすぎが出て転倒。連続ジャンプにできなかったこともあり、納得の表情というわけにはいかなかった。演技構成点も5項目中3項目が8点台になって伸び悩み、得点は92.49点。トップには立ったが、2位のセルゲイ・ボロノフ(ロシア)とは1.12点差と、そこまで大きな差をつけられなかった。
「カナダで失敗したトリプルアクセルを決められたし、(樋口)美穂子先生から『カナダの時より体も動いていて悪い滑りじゃなかった』と言われました。でも、試合になると体が動きすぎてジャンプも回りすぎになって、イメージどおりの失敗になってしまったのが心残りです。6分間練習でジャンプが前傾しているのに気がついたのでそれは修正できましたけど、4回転トーループはずっと回りすぎて失敗しているので、そろそろ何とかしなければいけないと思います」
あまりにもミスが続くので、宇野はSPの4回転トーループ+3回転トーループを、「2本目ではなく、疲労が出てくる後半の3本目に持っていく」ことも考えたという。
それでも、翌日のフリーでは「4回転のサルコウ、フリップ、トーループと自分のリズムができているので、練習どおりに跳べるし、自信があった」と宇野自身が言うように、最初の4回転サルコウこそ回転不足を取られたが、4回転フリップは2.83点の加点で、4回転トーループは3.39点の加点をもらう出来にした。
だが、コレオシークエンスの後の4回転トーループは着氷でステップアウトして連続ジャンプにできず、最後の3回転サルコウ+3回転トーループもサルコウが回りすぎるようなジャンプになって3回転トーループを付けられなくなり、結局コンビネーションジャンプは1本だけに。この結果、183.96点を獲得してフリーもトップになって完全優勝を決めたが、合計は276.45点で前戦のスケートカナダより低い点数だった。
「3回転サルコウ+3回転トーループはこれまでもけっこう失敗しているから跳びたかったですが、トリプルアクセル+1Eu+3回転フリップは跳べましたし、4回転サルコウも回転不足は取られましたけど、自分としては悪くないジャンプだったと思います。ふたつ目の4回転トーループは、ショートのように思い切り行ったトーループではなくて、いつもの練習のようにやろうとしました。そんなに斜めになっていなくて行けるかなという感触だったので、全体的にはちゃんとしたいい演技に一歩近づいたのではないかと思います」
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