見えてきたフィギュア新ルールの影響。男子で最初に300点を超えるのは? (2ページ目)
そして宇野は「昨日のショートの後はジャンプの構成を変えることも考えていると言ったけど、まだ数回は今の構成を続けてみて、その中で自分の気持ちをどうコントロールするか、チャレンジして向き合っていきたいという気持ちに変わった」と穏やかな表情で話した。失敗から逃げるのではなく、正面から挑戦してそれを克服しなければ、次の段階へは進めないと考えたのだ。
今シーズンのGPシリーズ4戦が終わった時点で、男子の最高得点はフィンランド大会の羽生結弦の297.12点。その次がスケートアメリカ優勝のネイサン・チェン(アメリカ)の280.57点で、それに続くのが宇野のスケートカナダでの277.25点となっている。そのほかの上位の得点は、スケートカナダで記録したキーガン・メッシング(カナダ)の265.17点で、他は250点台が3人という低スコア。合計300点超の選手はまだ出ていないため、300点がひとつの壁になっているのが現状だ。
また、フリーの演技時間が変わらなかった女子に対し、男子は30秒短縮になった影響か、フリーではGOE減点もない完全なノーミスの演技を誰もできていない。1本少なくなったジャンプにかかる時間を約10秒とすると、今シーズンのフリーは約4分の間に昨シーズンまでの4分20秒分の演技を入れ込まなければいけない計算になる。その精神面、体力面での余裕のなさがミスを生み、なかなかノーミスの演技ができない状況につながっているのだろう。
大きなミスなく滑り切れば、計算上は300点以上を獲得できる演技構成となっているトップスケーターのうち、誰が最初に300点超を実現するか。男子のGPファイナル出場権争いは、より完璧に近い演技に近づけて、合計300点を目指す戦いになりそうだ。
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photo by Noto Sunao(a presto)スポルティーバ
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