2018.10.09

無敵の女王ザギトワ。2つの課題を
克服すれば五輪連覇も見えてくる

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 平昌五輪女王のアリーナ・ザギトワ(ロシア)が、10月6日に行なわれたジャパンオープンで圧巻のフリー演技を見せつけた。参考記録ながら “世界最高得点”の159.18点を叩き出し、2位・坂本花織に約30点差をつける圧倒的な強さだった。

ジャパンオープンで完璧な演技を見せたアリーナ・ザギトワ 7つのジャンプは完璧で、すべてに加点がついた。出来栄え点(GOE)だけで12.43点を獲得する高評価。とくにルッツ+トーループの連続3回転は、2つとも両手を挙げながら高さも流れも申し分ない「タノジャンプ」を披露し、GOEで満点の2.95点を得たほどだ。演技構成点もただひとり9点台を出して、74.23点をマークした。

「今日はいい滑りを見せましたが、これからもっといい演技を見せていきたいです。フリーはエテリ(・トゥトベリーゼ)コーチや振付師と一緒に考えたプログラムです。『カルメン』はとてもパワフルな曲だと思いますので、一番大事なことは自分の気持ちを伝えることです。今季は大人の女性らしい演技を見せたいと思ってやっています」

 今季のフリーはオペラ曲『カルメン』。黒レースと赤いスカートの妖艶なコスチュームを身にまとって登場したザギトワはまだ16歳だが、昨季、偉業を成し遂げた自信が向上心を生み、さらなるモチベーションになっているようだ。

「今回のフリープログラムはすべてのエレメンツ(技)が大好きです。フィギュアスケートにおいては成長の限界はないと私は考えているので、これからももっと、すべての面で成長させていきたいです」

 シーズン初戦のネーベルホルン杯では、『オペラ座の怪人』を演じたショートプログラム(SP)で79.93点、フリーで158.50点、合計238.43点という、いずれも世界最高得点を出しての完全優勝を飾っている。そこには燃え尽き症候群も慢心もまったくなかった。