宮原知子、坂本花織は「ザギトワとの
30点差」をどう縮めていくか (2ページ目)
スピードとタイミング、そして大きなジャンプがもっとも大事な部分なので、それができれば自然に流れるようジャンプになると思います。タイミングが合えば自分のいいときのジャンプができています。いまはまだ何となくわかったり、わかっていなかったりの繰り返しで、感覚が掴めていませんが、いずれにしてもジャンプの跳ぶ瞬間のタイミングが一番の鍵を握っていると思います」
今季初戦のUSインターナショナルクラシックでも、SPでは3本のジャンプすべてが回転不足となり、フリーでは冒頭の3回転サルコーが2回転に、得意とする3回転ルッツは転倒の失敗だった。
フリーで競われたジャパンオープンでも、ルッツとフリップで回転不足を取られ、冒頭のサルコーはまたも2回転になる失敗を犯した。ただ、ジャンプはまだ不安定ながらも、演技にはしっかりと滑り込んできた成果が出ていた。
改正されたルールでは、ジャンプで失敗すれば、プログラム全体が完成されていないと判断されて、演技構成点も軒並み減点対象とされることになるが、宮原の演技構成点は平均で8点台後半をキープしていた。それだけ、表現力の評価は上がっていると言えるだろう。だからこそ、弱点であるジャンプの改良が必須ということになる。
ジャパンオープン前日の囲み取材でも「失敗してもいいので、とにかくいま、変えようとしている自分のジャンプをしっかり試合でもできるようにして、きっちり降りることを意識したい」と話していた。
世界の舞台で表彰台争いができる実力を持つ日本女子のエースが、確固たる存在感を示すためにも、今季のチャレンジを成就してもらいたいもの。だが、それは一朝一夕で身につくものではないだけに、困難も予想される。信念を貫けるか、どこまで踏ん張って取り組めるかにかかってくるだろう。
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