羽生結弦、今季フリープログラムは
憧れの曲を採用して「原点回帰」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 8月30日、カナダ・トロントのクリケットクラブで羽生結弦の公開練習が行なわれ、現地の正午過ぎに、羽生はリンクに上がって滑り出した。そして、その2分後には、力みのないきれいな4回転トーループを決める。続けて、4回転サルコウも跳んでキレのいい動きを見せた。

公開練習で新プログラムを披露した羽生結弦公開練習で新プログラムを披露した羽生結弦 この日練習したのは、新しいフリープログラム。いくつかのパートに分けての曲かけ練習をした。

「4回転に関しては、ルッツは、やれば跳べるという感覚はありますけど、ケガを再発させないようにということで、しばらくはやめておこうというのはあります。でも、トーループとサルコウ、ループまでは、現状では戻ってきているかなという感覚はあります」

 羽生自身がこう言うように、最初の曲かけでは4回転ループと4回転トーループを確実に決め、少し間を取ってからは3回転ループを跳び、4回転サルコウに挑んだ。

 そして、中盤からの曲かけでは4回転サルコウ+3回転トーループを決め、続けて4回転トーループ+1Eu+3回転サルコウ(これまでハーフループと呼んでいた1回転ループは、今季からシングルオイラー:1Euと表示される)を難なく決める。

 終盤の曲かけでは、トリプルアクセル+2回転トーループからコリオシークエンス、単発のトリプルアクセルを決め、ふたつのスピンまで滑った。

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