2017.10.22

羽生結弦、勝てなくても「足がグタグタに
なるまで滑る幸福を感じる」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 これまで数々のタイトルを獲得しながら、羽生結弦はシニアへ移行した2011年の中国杯以来、グランプリ(GP)シリーズシーズン初戦では勝利を手にできずにいる。ショートプログラム(SP)2位からの逆転優勝を狙った今シーズンのロステレコム杯でも、残念ながらそのジンクスを打ち破ることができなかった。

ロシア杯で2位も大技4回転ルッツを成功させた羽生結弦 フリーでの羽生の演技の最大の焦点は、試合で初めて挑戦する4回転ルッツだった。朝の公式練習では、以前に3回転ルッツが不調だった時のような回転軸が斜めになる傾向が見えて不安を感じさせたものの、曲かけ練習では尻が落ちる着氷ながらも耐えていた。

 本番では軸の方向を修正したジャンプを見せ、着氷でやや姿勢が崩れたもののGOE(出来ばえ点)1・14点をもらい見事に成功。次の4回転ループは踏み切りにズレが出て3回転になってしまうミスが出たが、続く3回転フリップをしっかり決めると、そのあとのステップシークエンスは冷静さの目立つ滑りをして立て直したかに見えた。