本田真凜は連覇ならずもパーフェクト。涙の向こうに「大きな目標」 (5ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 SPの技術構成には制限があり、フリーはコレオシークエンスが入っていないジュニアでの200点獲得というのはハイレベルな結果だ。さらに今回、本田はSP、フリーともに演技構成点はザギトワを上回る結果だった。ザギトワは、ISU(国際スケート連盟)公認大会ではないもののシニアのロシア選手権で総合得点221. 21点を出しているが、本田もそれに近づく可能性を秘めていることを証明した。

優勝したザギトワ(中央)に続き、表彰台を獲得した本田(左)と坂本(右)優勝したザギトワ(中央)に続き、表彰台を獲得した本田(左)と坂本(右) 本田の200点超えに関して、濱田コーチは「もともと身体能力が高く、うまくいけば210点までいける能力を持っている子だから、ビックリするようなことはないです。天才肌だから気持ちをどう持っていくかだけですが、シニアへ行っても、今は7点台のファイブコンポーネンツを、早い段階で8点台にするのも十分可能だと思っています」と、これからのさらなる成長に期待する。

 たしかに、世界ジュニアの連覇はひとつの目標だったが、本田にはそれよりも大きな目標が先に待っている。その意味では今回、来季以降のシニアでの戦いに大きな期待を持てる戦いをしたといえる。

 本田、坂本だけでなく、4月に左脛(すね)を骨折してジャンプを跳び始めたのは6月からだった白岩優奈も、フリーでは踏ん張り174・ 38点を獲得した。昨年末から腰が疲労骨折のような状態になり、今も痛みは引かず背中にも違和感があるという状態ながら、5位という結果を残した。

 今回の世界ジュニアは、ザキトワ以外のロシア勢は6位、10位と失速する予想外の展開だった。また、平昌五輪には年齢制限で出場できないが今後の大化けを予感させるようなイム・ウンス(4位・韓国)の台頭もあった。そんななか、本田が2位、坂本が3位と、日本女子ジュニア勢の充実ぶりを示す大会でもあった。

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