本田真凜は連覇ならずもパーフェクト。涙の向こうに「大きな目標」

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 3月15日から台湾・台北で開催されたフィギュアスケートの世界ジュニア選手権。シニア顔負けのハイレベルな戦いが繰り広げられた女子の主役は、昨年12月のジュニアグランプリ(GP)ファイナルを制したアリーナ・ザギトワ(ロシア)と、世界ジュニアの前回大会覇者である本田真凜だった。

自己ベストを更新する滑りを見せた本田真凜自己ベストを更新する滑りを見せた本田真凜 ショートプログラム(SP)では、第5グループで滑ったザギトワが完璧な演技をして70.58点を獲得。それでも本人は、GPファイナルを0.34点下回る得点に少し不満げな表情も見せた。

 それに対して、最終第8グループの最終滑走者だった本田は、最初のレイバックスピンがレベル3になる取りこぼしがあったものの、 ほぼノーミスの演技で自己最高の68.35点を獲得。ザギトワに次ぐ2位につけた本田は、納得の表情で自分の演技をこう振り返った。

「大会の1カ月前から緊張していたんですけど、昨日、濱田先生に『去年優勝をしているからといって、ひとりだけハンディをもらえるわけじゃない。みんな同じ立場からの勝負だから、自分だけ特別だと思わないようにしよう』と言われてから緊張がなくなりました。

 こっちへ来てからメインリンクでの調整が一度しかなくて、サブリンクの練習では調子が悪いときもありました。でも、(メインとサブで)氷(の状態)が全然違うので、サブで仕上げ過ぎないようにしようと思って、自分の中で調整できていたので、本番に合わせられてよかったです」

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