ファイナル3連覇へ。羽生結弦のコンディションを現地レポート

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao

相性のいいバルセロナのリンクだけに、好結果への期待が膨らむ相性のいいバルセロナのリンクだけに、好結果への期待が膨らむ グランプリファイナル開幕前日、12月9日に行なわれた男子公式練習。羽生結弦の動きは、スケートカナダやNHK杯のときのような「絶好調」といえるほどではなかった。

「たぶん疲労はあると思うけれど、(シリーズ最終戦の)NHK杯に出てファイナルへ来ている選手は女子も男子もペアもダンスを含めてもいるわけですから、それはあまり関係ないんじゃないですか」

 NHK杯に出場した他の選手とそれほど変わらないとはいうが、トータル322・40点を出した演技は自身の持てる力をすべて振り絞ったもの。その疲労は、自分では認識できていない体のどこかに、わずかでもまだ残っているはずだ。

 それでも、公式練習ではトーループとサルコウの4回転ジャンプを1本ずつ決めると、順番が2番目だった曲かけの練習でも、最初の4回転サルコウを軸が少し斜めになりながらも決め、4回転トーループ+3回転トーループの連続ジャンプとトリプルアクセルもきっちり決めた。さらに2回のスピンもスピードに乗った滑りを見せると、そのあとも危なげなく連続ジャンプを含む4回転ジャンプを成功させた。

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