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ファイナル3連覇へ。羽生結弦のコンディションを現地レポート (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao

「NHK杯の高揚感のようなものは、今はもう関係ないですね。ファイナルまでが短い期間だったからなのか、NHK杯が終わったあとは『これから(あの得点を)意識するだろうな』と思っていましたけど、今はとくに最高得点も意識していないし、演技に対する期待感もあまり感じていないです。非常に集中した、いいコンディションかと思います」

 NHK杯が終わってから、ファイナルの開催地バルセロナへ向けて出発するまでは8日間しかなかった。そのため「調整をしっかりしなければ」という方に意識が集中して、NHK杯の映像は何度も見たが、その結果を自分のなかで消化するほどの時間はなかった。そんな理由もあり「今はどこか吹っ切れているような気がする」と言う。

「ここではNHK杯の時のようなテンションでいかなくてもいいかな、と思っています。あのテンションでここでも演技をしていいものかといえば、僕はそれが正解だとはいえないと思うので......。この会場で行なわれるこの大会、この試合でできるコンディションづくりや集中のしかたを、うまく引き出せればいいなと思っています」

 バルセロナへ来る時に思っていたのは「去年と同じようならいいな」ということだった。氷の感覚や会場の音の反響など、「気持ちよく滑れたという印象があった」からだ。羽生は、ここでまた滑れることが「すごく楽しみだった」と言う。

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