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【フィギュア】美少女たちの激戦、全日本ジュニアは樋口新葉が首位発進 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 吉村可奈美/フォート・キシモト●写真 photo by Kanmai Yoshimura/PHOTO KISHIMKOTO

「腰の痛みで練習ができなかったこともあり、去年の成績がプレッシャーになってきて気持ち的にも集中できていなかったと思う。ファイナルを逃したのは本当に悔しかったけど、逆にそれで吹っ切れたというか。それからは練習でもいい感じで力が抜けるようになった」

 その後は全日本ジュニアに照準を合わせ、練習の成果を出すことだけを考えた。SP当日朝の公式練習では調子はよくなかったが、本番前にはそのことは頭から消し去り、試合のみに集中するように務めたという。
 
 樋口の演技は最初のステップシークエンスから、スピードを抑え目にする丁寧さが滲み出ていた。そしてフライングシットスピンのあとの後半に入ってすぐの3回転ルッツ+3回転トーループを、GOEで1.40点の加点をもらう出来で波に乗ると、3回転フリップも注意マークだけで乗り切り、すべての要素でGOE加点をもらい技術点は39.27点。合計66.83点で白岩を抜いてトップに立ったのだ。

「今シーズンの前半のジュニアGPシリーズでは思うような演技ができなくて悔しかったけど、今年も全日本ジュニアでは優勝したいという気持は強かったし、昨シーズンとは違った強さを周りの人や観客の人たちに見せたかったので......。それができて良かったと思うし、このプログラムを初めてノーミスでできたのがうれしい」。樋口はこの演技で、今季前半の苦しさや悔しさのすべてを吹き払った。

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