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平昌五輪まで安泰!? 女子フィギュアはロシア王国時代へ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao

 大会初日のSPでは、予想どおり白熱の勝負が展開された。3番滑走のリプニツカヤが、ミスを3回転フリップのエッジエラーだけに抑える満足の演技で66・24点を獲得。

 続くポゴリラヤは冒頭の3回転ルッツで回転し過ぎてしまい、連続ジャンプを付けられないミス。続くふたつのスピンをともにレベル4にして盛り返したが、3回転ループのあとに付けた3回転トーループで転倒し、失速して得点は61・34点にとどまった。

 5番滑走のトゥクタミシェワは、冒頭の連続ジャンプ3回転トーループ+3回転トーループという構成で、他の3人の3回転ルッツ+3回転トーループに比べて得点が低いというハンディがあった。だが、回転中に片手を上げてGOE(出来ばえ点)を獲得する戦略的な構成にすることで、その差を埋めることに成功。結果、この日は3回転ルッツのステップアウトだけのミスに抑え、67・52点でトップに立った。

 SP最終滑走のラジオノワは体調が万全でないのか、ジャンプの着氷が少し乱れた。ふたつ目の3回転ループはその不安が転倒につながり、63・89点で3位発進となった。

 13日のフリーではさらに明暗が分かれた。メダル獲得のためには自己最高得点更新が必要だった最初の滑走者のポゴリラヤは、ここでも"ジャンプが不安定"という弱点を露呈してしまった。最初の3回転ルッツと3回転トーループの連続ジャンプこそ完璧に決めたが、続く3連続ジャンプでは最後の3回転サルコウで回りきっていながら転倒するミス。その後は何とか抑えたものの、終盤にはスタミナが切れてしまい、スピンでGOEを減点された。結局、ジャンプのミスで気力が途絶えた形になり、4位に順位を落とした。

 また、SP2位だったリプニツカヤも、焦りで自滅する形になった。今季はまだGPで勝利はなし。調子が上がりきっておらず、プログラムの完成度も昨シーズンに比べれば、いまひとつ。フリーの演技構成を、初戦の中国大会とフランス大会に続き、今回のファイナルでも変更していた。

 そんな状況のリプニツカヤは、ひとり前に演技したラジオノワが合計で198・74点という高得点を出したことでプレッシャーがかかり、動揺したのだろう。冒頭の3回転ルッツ+3回転トーループは完璧に決めたものの、次に予定していたダブルアクセルからの3連続ジャンプは、最初のアクセルで跳び急いでしまって大きく流れ、転倒してしまった。

 その後のスピンとステップはGOEで加点をもらい、ふたつ目のダブルアクセルに3回転トーループと2回転トーループを付けて連続ジャンプにしたが、その後ふたつ続けたフリップは1回転と2回転になり、続くサルコウも2回転とミスを連発。最後のコリオシークセンスとふたつのスピンは丁寧にこなし、GOEで加点されたが、フリーの得点は111・55点。SPの貯金を活かせず、総合5位に落ちてしまった。

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