【フィギュア】「完璧を目指す」浅田真央。世界選手権の見どころ (3ページ目)
その浅田を脅かす存在でもあり、初の世界女王の座を虎視眈々と狙っているのは、ソチ五輪の団体戦で完璧なSPとフリーを演じてロシアの金メダルに貢献した15歳のユリア・リプニツカヤ(ロシア)だろう。五輪の個人戦では本来の力を発揮できなかっただけに、この世界選手権でその悔しさを晴らしたいはずだ。
また、今シーズンでの現役引退を表明している五輪銅メダルのカロリーナ・コストナー(イタリア)も、競技者として最後の試合となる今大会で傑作のプログラムとも言えるSP「アベマリア」とフリー「ボレロ」を披露する。五輪で見せた圧巻の演技を再現できれば、2年ぶり2度目の世界タイトル獲得も夢でない。
現役最後の大会が日本開催の世界選手権だという運に恵まれた鈴木明子が、情感のこもった演技でどう有終の美を飾るのかも注目したい。緊張感のある競技会での演技はこれが最後、ファンにとっては見納めになるだけに、鈴木はこう語っている。
「競技生活最後の大会なので、いままで滑ってきた経験のすべてをこの試合の演技にかけて、思いを込めて最後まで自分らしく滑って競技生活を終わりたいです」
25歳で初出場して以来、4回目の出場となる世界選手権で、2年ぶり2度目の表彰台もありそうだ。
一方、五輪初出場を果たした村上佳菜子は、ソチでは自分が満足できる演技ができず、「悔しさだけが残った」と言う。だから、この世界選手権では「オリンピックの悔しさを挽回できるように、SPとフリーでいい演技をして気持ち良く終わりたい」と抱負を語った。
2011年にシニアデビューしてから毎年出場する世界選手権では8位、5位、そして昨年はあと一歩で表彰台の4位と、順位を上げてきた。五輪では12位と振るわなかったが、1月の四大陸選手権で初優勝するなど実力はあるだけに、地元開催の世界選手権という絶好のチャンスでメダルを獲りたいところだ。
これまでオリンピック直後の世界選手権は、ベテランと若手の世代交代のターニングポイントになってきた。そんな観点からも、興味深い大会になりそうだ。
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