羽生結弦、SP首位発進!男子フィギュア優勝争いの行方は? (2ページ目)
その後、21番滑走のパトリック・チャン(カナダ)は、完璧な状態ではないように見えたものの、最初の4回転トーループと3回転トーループのコンビネーションジャンプを決めるなど、3年連続世界王者の貫祿を見せた。トリプルアクセルの着氷でステップアウトするミスはあったものの、その後の要素で建て直し、97・52点で羽生に続く2位となった。
「トリプルアクセルも団体戦の時より良かったが、もう少し軸を真っ直ぐにして大きなランディングをしたかった。でも、それ以外は良かったし、楽しんでパフォーマンスをすることができた」と、チャンは余裕を見せる。
一方、他のメダル候補選手たちは、揃ってミスを犯してしまうSPとなった。
ハビエル・フェルナンデス(スペイン)は順位こそ3位につけたが、最初の4回転サルコウと後半の連続ジャンプでミスをして86・98点止まり。昨年の世界選手権2位のデニス・テン(カザフスタン)は最初の4回転トーループで転倒し、84・06点で9位。サルコウとトーループ2種類の4回転ジャンプをプログラムに入れていたケビン・レイノルズ(カナダ)に至っては、サルコウとトリプルアクセルで転倒して17位に沈む結果になってしまった。
一方、期待の日本勢はやや明暗が分かれてしまったといえる。
「自分らしい演技ができなかった」と反省する髙橋大輔は、4回転トーループが回転不足でダウングレードになるも、他の要素で高く評価され86・40点を獲得。「終わった時は最終グループに入れると思わなかった」と苦笑いを浮かべるが、4位とまずまずの位置につけた。
それに対して、最終滑走者だった町田樹は、4回転と3回転の連続ジャンプを含む前半はほぼ完璧だったが、終盤の3回転ルッツが2回転になってしまい、審判全員がGOEはマイナス3点をつけるほどのミス。結局83・48点で11位スタートになってしまった。
結局、羽生とチャンのふたりが優勝争いへ一歩抜け出す形になった。3位のフェルナンデス以下は、上位ふたりには水をあけられたが、86点台が4人で85点台がふたり。そして84点台、83点台と続き、3位フェルナンデスから11位の町田までは3・50点差。上位ふたりの金メダル争いと、9人による銅メダル争いに二分される状況になった。
優勝争いを考えると、羽生の方がジャンプの安定度が高く、SPの演技構成点ではチャンが羽生を上回ったが、その差はわずか0・57点。フリーで互いが完璧に演技をこなせば、僅差で羽生が上回る可能性が高いといえる。
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