ソチ五輪シーズン直前。18歳・羽生結弦が「本気モード」に突入 (3ページ目)
そんな状況の中、アイスショーでは新しい取り組みもしている。昨季は6月の『ファンタジー・オン・アイス』でシンガーソングライターの指田郁也と『花になれ』という曲でコラボし、エキシビションはシーズン中、同じ曲で通した。
羽生はショーの最後の「ジャンプ合戦」で4回転を成功させ、笑顔を見せた だが今季は、6月1日からの『アート・オン・アイス』(東京)では藤井フミヤの『TRUE LOVE』、7月6日からの『ファンタジー・オン・アイス』(福岡)では、AIの『Story』と、異なるアーティストとコラボ。シットリとした曲にのって、躍動感のある演技を見せた。羽生はショーでの滑りについて「曲調によっては普段の演技でやらないような体の動きや、切り返しがあります。そういう滑り、けっこう得意なんです」と笑顔を見せる。
これまでと違う新鮮な経験を楽しみながらも、それを自分の視野や振り付けの方向性を広げるために有益なものにしようと、羽生はひとつひとつ丁寧に演じて、着実に成長を続けている。
また、ショーのフィナーレ恒例となっている男子選手の「ジャンプ合戦」では、ともにブライアン・オーサーコーチに指導を受けているハビエル・フェルナンデス(スペイン)と4回転に挑んでいたが、『ファンタジー・オン・アイス』の最終公演では、今季の演技中で初めてとなる4回転トーループを跳んだあとでトリプルアクセルを3回連続で決めるなど、調整は順調なようだ。
「アイスショーが終わったらカナダ(トロント)へ戻ります。それから夏合宿です。そこで今季の土台を作りあげ、そこからどのように試合を組んでいくかを決めます」という羽生。初めての経験となる「五輪シーズン」へ向けて、本気モードに入り始めたようだ。
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