2013.03.12

浅田真央が『アイ・ガット・リズム』を選んだ理由

  • 辛仁夏●文 text by Yinha Synn
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

浅田真央、四大陸選手権でのショートプログラム『アイ・ガット・リズム』の演技 五輪プレシーズンとなる今季最終戦の世界フィギュアスケート選手権が、3月13日からカナダ・ロンドンで始まる。この世界フィギュアは、個人戦の勝敗に加えて、ソチ五輪の国別出場枠(最大3人)が決まる大事な大会だ。女子は日本から浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子の3人が出場する。

 今季ここまで5戦5勝と、出場した大会で負けなしの浅田真央は、シーズン前半戦で徹底して取り組んできた基本のスケーティング力を発揮して質のいい滑りと安定した演技で得点を伸ばしてきた。

 ショートプログラム(SP)の『アイ・ガット・リズム』は、2005年のシニアデビュー時から浅田の振付けを担当してきた著名な振付師、ローリー・ニコル氏が、浅田の愛らしさが光り、氷上で元気になれるようにと振付けた、愛情たっぷりのプログラムだ。最愛の母を亡くし、この2シーズン、不振に見舞われた浅田を勇気づけようと、明るく元気になれるプログラムを作ったという。浅田自身も「見ている人にも元気を与えられ、楽しくなれるように滑りたい」と、22歳になった彼女らしさ全開のチャーミングな"大人可愛い"振りで魅了する。

 一方、「滑ってみたい曲だった」というフリーの『白鳥の湖』は、フィギュアスケート界でも多くのスケーターが滑ってきた定番中の定番ナンバー。その名曲を、元コーチであり、浅田の才能に惚れ込んで今も良きアドバイザーとしてサポートを続ける名伯楽タチアナ・タラソワ氏が振付けた。

「自分の技術や力強さを見せ場として強い白鳥(黒鳥でもある)を演じられたらいい」と語る浅田が、一番見て欲しいのが最後にプログラムを盛り上げるステップシークエンスだ。このプログラムは前半では白鳥のように優雅さと可憐さを、後半からは黒鳥のように力強さと激しさを出して、白鳥と黒鳥のコントラストを上手く表現できるような構成になっている。