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【プロレス】藤原喜明が語る新日本への復帰と、アントニオ猪木との一騎打ち 乱闘を起こした前田日明は「正直すぎる」 (2ページ目)

  • 松岡健治●文 text by Matsuoka Kenji

【猪木との一騎打ちで感じたこと】

 UWF軍団は、1986年1月のシリーズから本格参戦した。このシリーズで新日本が打ち出した企画は、UWF勢の5人で総当たりリーグ戦を行ない、優勝者が最終戦の2月6日に、両国国技館大会で猪木との一騎打ちに挑むというもの。結果は藤原が優勝し、猪木とのシングルマッチが実現した。

 長年にわたって支えていた猪木との、両国国技館でのメインイベント。レスラー人生のなかでも万感迫るものがあった......と思いきや、藤原は鼻で笑った。

「猪木さんの試合ったって、なんのことでもねぇよ。俺にとってはいつもと同じ仕事だ。プロレスラーの仕事は、お客さんに感動してもらうこと。自分が感動することじゃねぇんだよ」

 ただ、リング上で対峙した猪木は、ほかのレスラーとは違ったという。

「やっぱり"アントニオ猪木"だったな。『カッコイイな。いい構えだな』と思ったよ」

 試合では、藤原のアキレス腱固めに対し、猪木が観客にもわかるように指を差して「こっちだ」と指導するような場面があった。猪木は"格の違い"をアピールしているかのようだった。

「猪木さんがあんなことをするということは、けっこういいアキレス腱固めだったってことだな。フフフ......。まあ、それは俺の憶測だし、猪木さんがどういう意味であんなことをやったか、本当のところはわからない。だけどな、『格が上だってアピールしてるのかも?』って感じさせたなら、それは猪木さんの力だよ。

 お客さんによって、捉え方は自由。試合が終わったあとに酒を飲みに行って、ああだ、こうだって想像することが楽しみなんだよ。たとえば、俺が試合後にリングから降りる時、ニヤッて笑うだろ? そうすると、お客さんは『藤原が笑ったけど、あれはどういう意味なんだ?』って話になる。すると、3つしか技をやらなかった試合でも、お客さんの頭の中ではストーリーが膨れ上がるわけだ。それがプロの仕事なんだ。

 だから俺は、後輩たちに『リングの上でしゃべるな!』って言うんだけどな。前田なんかは、今日はこうでしたって、しゃべりすぎなんだよ(苦笑)。試験の答えを教えちまうようなもんだろ?」

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