【ボクシング】中谷潤人が実感する「アメリカならではの環境」での成長 NBAの"KING"を見て再認識する基礎の大切さ (3ページ目)
【NBAの"KING"のウォーミングアップを見て思うこと】
中谷は今回のLAキャンプ中、何度かクリプトドットコム・アリーナ周辺をロードワークのコースとした。NBAの人気チーム、レイカーズのホームコートだ。同チームには、バスケットボール界で"KING"と呼ばれるレブロン・ジェームズが所属している。昨年末に41歳となり、ピークを過ぎたとも囁かれるレブロンだが、その存在感は依然として唯一無二だ。ボクシング界に当て嵌めるなら、モハメド・アリ、マイク・タイソンクラスのビッグネームである。
中谷は先日、レブロンが試合前にウォーミングアップするシーンの動画を目にした。基本であるドリブル、シュートの練習を、これ以上ないほど丁寧にこなす様に目を奪われた。
「きちんとした基礎があるからこそ、応用が利き、多彩な動きができるんですね。スーパースターは、軸がしっかりしている。僕はバランスを大事にしていますが、突然軸が崩れたりすることもあります。自分の感覚を摺り込ませるために、レブロンのように基本的なことを毎日やるのは絶対に大事ですね。
スパーリング前に軽く動く時も、バランスを崩さないようにやっています。今日の軸は、また昨日とは違うものです。体の状態を確かめながら、自分と対話します。レブロンも土台を重視しているからこそ、プレーに生きるんでしょう。彼のウォーミングアップはとても美しく、洗練されていますね。動きに無駄がない。本当に見惚れてしまうほどきれいです」
レイカーズのレブロン・ジェームズ photo by AP/アフロこの記事に関連する写真を見る
超一流のアスリートの動きは、まさしく芸術だ。かつて、ミドル級チャンピオンとして一時代を築いたマービン・ハグラーは、「ボクシングはアートだ」と語った。ハグラー、中谷、そして井上尚弥は自身の闘いを芸の域に到達させた稀有な男たちである。
シャドーボクシングひとつとっても、レブロンに勝るとも劣らない集中力で臨む中谷は、3週間のLAキャンプをこう振り返った。
「いい日も悪い日もありますが、そこも含めて自分です。3月18日からスタートした今回の合宿では、成長を実感できています。ジャブならジャブ、ボディブローならボディブローという細かな動作が、全体的に伸びている。そして、体も切れているな、と。良いと感じる点を、もっと積んでいきたいです。
とにかく、5月2日にベストな状態で東京ドームのリングに上がれるようにコンディションを作っていきます。課題に全力で向かうためには何が必要かは、常に己に問いかけます。練習後は、休むんだったら休む、体を冷やすんだったら冷やすぞと考えながらチョイスしますね」
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