中谷潤人が振り返る「少し力みがあった」西田凌佑戦 井上尚弥超えへ「異常なことをやっていかないと到達できない」 (3ページ目)
ダメージを与えていくことにフォーカスした戦いというか、西田選手はすごく気持ちが入っていましたから、『そう簡単には倒れないだろうな』と。力をこめた一発で倒すというよりも、削っていった感じです。ダメージを溜めさせるというのは、今回のテーマのひとつでした、胸とか肩とかに当てていけば、本当に相手が擦り減ることを学びましたね。僕のパンチが当たって効いていることが伝わってきたので、そういった回数を増やしていけたと思います」
試合で右目を腫らし、右肩を脱臼したことで棄権となった西田だが、健闘が光った photo by Hiroaki Yamaguchiこの記事に関連する写真を見る
第6ラウンドが終了し、右目の塞がった西田は右肩脱臼を理由にレフェリーに棄権を申し入れる。試合終了とともに二冠王者となった中谷だが、さっそく課題も挙げながら、さらに自らのパフォーマンスを振り返った。
「空振りが多かったですね。強いパンチを当てていこうとして、肩に力が入った部分があります。前に出て戦うスタイルを選択しましたから、被弾もしました。今回は、フットワークをあまり使わずに相手をコーナーに追いこむイメージでした。どっちかというとベタ足で、ちょっとずつプレッシャーをかけていくみたいな。相手によって、足の運びも変わってきますよね。
試合中にムキになると絶対によくないので、それだけは避けています。今回、感情のコントロールはできました。西田選手のボクシングを崩すには、ああいう打ち合いが必要だと考えたからこそ、計算の上でやったんです。第1ラウンドからいくっていうのも、チームと話しての戦略です。西田選手がどれだけの思いで僕との試合に臨んだかもわかりました。すべてが想定内でしたが」
【LAキャンプで行なった「異常」なメニュー】
現地時間4月20日からのLAキャンプで、中谷は合計268ラウンド、日本に戻ってからの半月でさらに60ラウンドのスパーリングを消化した。一日に18ラウンド、20ラウンドと、並の世界チャンプなら壊れてしまうほどのメニューだった。
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