ウナギ・サヤカは『極悪女王』ブームでバトンを渡さなかったレジェンドたちに絶望 長与千種とは「今リングでやっていることは私のほうがすごい」 (3ページ目)
【彩芽蒼空に与えたチャンスと試練】
――マーベラスといえば、4月26日の両国国技館では暁千華選手が第1試合に出場します。対戦相手のXはマーベラスの誰か(取材時点では未定)ですが、ウナギさんは2月24日の試合で勝利した彩芽蒼空選手に「(対戦を)自分でつかみ取れ」と言ったわけですよね。誕生日プレゼントとして、最高のチャンスと試練を与えた。
ウナギ:蒼空は千華と同じタイミングで入門して、ずっと一緒に練習していたのを見てきたけど、どこかで弱さがあった。体とか心だけじゃなくて、やっぱりひとつ負けちゃってるんですよね、千華に。
――何が負けてるんだろう......。
ウナギ:全部、ちょっとずつだと思います。体も気持ちもそうだけど、運も。そういう意味では、千華ってむちゃくちゃ運がいいと思うんですよ。それは、もともと持ち合わせているもの。努力してるとか、毎日練習してるとか、そういうことだけが正義ではなくて、やっぱり運をつかまなきゃいけないタイミングはある。運の使い方、人の使い方......そういうのも全部含めて、私は絶対に必要だと思ってるから。
――彩芽選手は、ウナギさんに憧れてプロレスラーになったんですよね。元「ひつま武士(ウナギのファンの総称)」ということで、やはり思い入れがありますか?
ウナギ:初めて私のファンの子が、涙を溜めて「プロレスラーになりたい」って言ってきて。それでデビューしたのが初めてだったので、そういうところも含めて、私にとって一番大事な両国の第1試合をまかせたいなと思った。
第1試合ってメインと同じくらい大事なので、今までの自主興行の第1試合は全部自分がやってきたんですけど。そこをまかせたいと思った反面、ただ呼ぶことはいくらでもできるけど、最後は自分でつかみ取ってほしかった。千華という、一度も勝ったことのない相手に勝って、つかんでほしいです。
――勝てるのかな......。暁千華は強いですよ。
ウナギ:今の蒼空に足りないのは、信念だと思うんです。押さえ込みをやったりとか、物理的なパワーで負けることだけが弱さだと思っているかもしれないけど、絶対に自分の闘い方があるし、自分にしかできないものを見つけてほしい。それが今の彼女の課題でもあると思うので、ひとつ越えてほしいなっていう気持ちはありますね。
(※)取材後の4月10日、彩芽蒼空はマーベラス新宿FACE大会で暁千華に勝利。両国の第1試合出場を決めた。
3 / 5