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【ボクシング世界戦Wインタビュー】3階級制覇に挑む京口紘人「僕のボクシング人生も最終章」 迎え撃つ王者は「苦労した母のためにも負けられない」 (3ページ目)

  • 林壮一●取材・文・撮影 text & photo by Soichi Hayashi Sr.

【3階級制覇へ「目指す資格があるかな、と思う」】

 拳四朗にWBAライトフライ級タイトルを奪われた京口紘人は、「3階級制覇」という新たな目標を掲げてフライ級に転向した。カムバックを決めた頃、彼は話していた。

「ライトフライに留まって、もう一度世界タイトルを目指す、という選択肢ももちろんありましたが、モチベーションが上がらなかったんです。ライトフライで世界タイトルを狙うほうが、フライよりは成功する確率が高かったでしょう。でも、あえて茨の道を進む、大きな目標に挑むほうが人生においてプラスだと感じました。

 幼い頃から、『世界チャンピオンになる!』という夢を追いかけてきました。世界のベルトを巻いて、その上のクラスでもタイトルを獲得し、4度防衛して統一戦もやれました。自分としては、2階級制覇でさえ出来すぎなんです。3つの階級で世界のベルトを獲るのは、僕には本当に難しいチャレンジです。でも、目指す資格があるかな、と思うんですよね」

 そして、こうつけ加えた。

「僕のボクシング人生も、最終章に差し掛かっていますから」

 2024年5月11日に京口は、6年前にIBFミニマム級タイトル2度目の防衛戦で下したビンス・パラスとノンタイトルで対戦。自身は「確実にポイントを取った」という手応えを感じたものの、フタを開けてみれば0-3(93-97、93-97、94-96)の判定負け。およそ5カ月後の再々戦で勝利し、胸のつかえを下ろした。

 京口は振り返る。

「同じ戦い方を選択できないなかで、どう相手を上回ればいいかを考えながら3戦目に臨みました。勝ちきることをテーマとして勝てたのは、精神的によかったかなと」

 京口を指導する小林尚睦トレーナーも述べた。

「僕も5月の試合は『紘人の勝ちだ』と感じましたが、ああいう結果が出た。ですから、誰が見てもクリアな勝利であるように、接近戦でのクリーンヒットの数、確実なポイントの取り方を意識させました」

 そうしてパラスとの第3戦の後、オラスクアガ挑戦の話が届いた。

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